家に、北山ってやつが住み着きました。2

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玉森side





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｢……だめ｣




藤｢えー｣





閉店間際、店に入って来ては、カフェラテを注文する




｢あれは、みつのだから｣




『この間はくれたのに？』




｢……あれは｣




『あれは？北山との仲を俺に見せたかった？』




｢……それは｣




『ふふ、冗談。……羨ましいなって思ってさ』





そう言って、結局ブレンドのコーヒーを頼んでくる





｢……かしこまりました｣






コーヒー豆を選び、焙煎する






藤｢……俺は全然知らないから｣




｢……知らないのに、好きなんですか｣




藤｢あぁ、好きだ｣






俺の質問に間髪入れず答えるがやに、苛立ちを覚えた





｢なんでそこまで言いきれる訳？なんでそんな簡単に好きとか……思うわけ？｣





どうしてこんなに腹が立つのか、


どうしてこんなに、焦ってしまうのか





｢俺はみつのことならなんでも知ってる。意外と面倒臭いところだってあるし、強がりばっかで、何かあってもすぐに隠すし……でも、それはみつが凄く優しくて…繊細な人だから……誰より人のことを、周りのことを考えられる人だから……｣






何を必死に話してんだろう



ダサいだろ、こんなの……そう思うのに、止められなくて、ぽろぽろと言葉が溢れ出す






｢だから……壊れてしまわないように、みつが、ずっと笑っていられるように……俺はずっと守ってきたんだ……｣






この思いは、誰にも負けない




みつのことをずっと傍で見ていたのは俺なんだ




俺は、みつを幸せにする自信がある


誰より、みつのことを俺が一番知っているから






藤｢そうなんだ。北山……きっと幸せだね、たまみたいな人が傍にいたら｣






それなのに、どうして……






藤｢でも俺……簡単に言ってるつもりはないよ。例え北山が、俺を見ていなくても、俺はずっと北山が好き｣






この人は、なんて真っ直ぐなんだろう



みつのことを、本気で…思ってるんだ







｢……どうぞ｣





藤｢ん！やっぱり美味しい〜｣








この人を見てると、どんどん自信がなくなっていく




みつを幸せにする自信はこんなにあるのに


みつに……選ばれる自信が、どんどんなくなっていってしまうんだ







みつが、いつか……この人を好きになってしまうんじゃないかって…怖くなる





だからもう、みつには会いに来ないでよ……



これ以上、みつを好きにならないでよ……





こんなことを思う俺は、本当にずるい





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