家に、北山ってやつが住み着きました。2

12 ページ12

藤ヶ谷side





.





｢……し、失礼します｣




『なにそれ笑』




｢……どうも｣




『…どうも笑』







なぜか人見知りモードが全開になってしまい、北山に目を合わせられない






『ありがとう、また来てくれて』




｢あ、いや……俺も会いたかったから｣






……待って、何言ってんの俺



それじゃ引かれちゃう





恐る恐る目線を北山に向ければ、ぽかんとした顔で俺を見ていた




ほら、やっちゃったじゃん






そんな俺を助けてくれるのは、やっぱり宮田だった





宮｢あ、がやさん来てたんだ｣





病室が開いて、宮田の登場






宮｢きたやん良かったね｣




『へ？あ、うん』




宮｢がやさん仕事はいいの？｣




『あぁ、しばらく有休とってて』




宮｢そうなんだ、でもなんで？｣




『傍にいてあげたくてさ』




宮｢ん？笑｣




『……あ、違う違う、違くてっ』






宮田は、あーっ！って俺を指さした




宮｢さては彼女さんですなっ！｣




と、大声で言う






｢馬鹿っ違うって！｣




玉｢……へぇ。彼女さんね｣




｢……たまっ？｣






病室に入ってきたたまはまた、北山の横の椅子に座っては北山の体調を伺う






玉｢みつ、体調平気？｣




『ん？平気〜』




宮｢なんで隠すんだよ〜｣




｢本当に違うから｣




玉｢へぇ〜がや彼女いるんだ｣







たまは意地悪に笑ってる





いないからって否定しようとした時、北山の口が開いた







『かっこいいもんね、彼女さんいても可笑しくないもんね』




｢……｣







俺のことなんて、これっぽっちも見てないような言葉に、分かっていたのに


やっぱり、苦しくなった






玉｢……｣






たまは、申し訳なさそうに俺を見てる





｢……あ、はは。本当？でも俺本当に彼女いないよ｣




『そうなの？モテるだろうに』




｢そんなことないよ｣




玉｢みつ、果物食べる？冷蔵庫にいくつか入れといたから｣






たまが話題を変えてくれて、北山はメロンに夢中になっている






玉｢ごめんがや｣




こそっと、俺に謝ってくれるたま


ちゃんとがやって呼んでくれてるね…って




｢大丈夫だよ笑｣






これくらいでへこたれてたら、駄目でしょ





俺を見てないなら、


見て貰えるようにするだけだから






.

13*→←11

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す