家に、北山ってやつが住み着きました。

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横尾side





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宮田さんは、気を使ってくれたのか



何かあったらと、名刺を置いて病室を出ていった







｢みっちゃんから電話貰ったんだ｣




藤『……北山が』




｢何があった？｣






太輔は、俺の問いに何を答えるでもなく



ただ、ぽろぽろと静かに涙を流した







背中をさすってやると、小さな声をもらし始めた







その内、本当に本当に弱々しい声で太輔が言ったんだ






藤｢北山…消えた…｣




｢…消えた？｣




藤｢…助けようと思って、手を伸ばしたんだ…でも、俺はその腕を掴めなくて、そのまま地面に倒れてた。｣




太輔から発せられるなんとも奇妙な話に頭が働かなくなる





藤｢……なぁ、どうしてだと思う？｣





太輔はそう言って、ははって乾いた笑い声をあげる





藤｢もう……会えないのかな｣







こんなに弱々しい太輔を見るのは初めてかもしれない



それなのに俺は、


目の前で苦しんでる親友を前にして、何も言ってあげることが出来ずにいた







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