家に、北山ってやつが住み着きました。

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藤ヶ谷side





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｢冷えて来たね。北山病み上がりなんだからそろそろ車戻ろ？｣




『うん…』






海が名残惜しいのか、車に乗ってからもずっと海見てる






｢ねぇ、帰る前にカフェ寄らない？いいお店知ってるんだよね｣





この間のお礼もしたかったし






『カフェ？』




｢そう、家の近くだからちょっと時間かかるかな。着くまで寝ててもいいよ｣




『ううん、起きてたい』






北山は、キラキラな目で窓を眺めてる




『あっ、これ知ってる！』






車に音楽を流すと、それに合わせて歌い出した






その綺麗な歌声に


北山はこんなに歌が上手かったんだと思ったと同時に、口ずさむその声を



俺はこれからも、隣で聞いていたいと思った







『……ここ？』




｢そう、いい雰囲気だろ？｣







『ふっ、藤ヶ谷っ！』




｢ん？｣




『やっぱりさっ…俺、焼き鳥！……食べたいな』




｢焼き鳥？｣




『……うん』







さっきまで、カフェなんて久しぶりだって嬉しそうにしてた北山なのに




なぜか、頑なにお店に入ろうとはしなくて






｢じゃあ、近くに飲み屋さんあるからそっちにしよっか｣




『……ごめん』




｢なんで謝るの笑北山が言うから、俺も焼き鳥食べたくなっちゃったし｣






北山が悲しむのは嫌だったから




でも、焼き鳥食べたくなったのは本当だよ？






それに俺、北山と2人でならどこだって構わない







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