家に、北山ってやつが住み着きました。

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北山side





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隣で藤ヶ谷が眠ってる




俺を優しく抱きながら







『……っ』





こんな幸せがあったんだね



このまま、いつまでもこの温もりに触れていたい





俺はどうしようもなく、あなたを愛してるよ






愛しているから、藤ヶ谷の好きだよって言葉に



俺も好きだと、伝えることが出来ない







『……あ、ごめんこんな時間に』




横｢ちょっとびっくりしたけど。大丈夫だよ、どうした？｣







電話越しの声は、俺の心を宥めるように優しくて







『横尾さん……俺、苦しい』




『藤ヶ谷のことが、好きなだけなのに…』







素直に飛び込んでしまえない



これ以上幸せになってしまうのが怖くて怖くてたまらない






藤ヶ谷を、傷つけてしまいそうで怖い




でもね……俺本当に







『嬉しかった……っ』






藤ヶ谷が、俺を……好きだと言ってくれて




優しいキスをくれたこと


藤ヶ谷の綺麗な瞳いっぱいに俺を映してくれたこと








『……でも俺は、藤ヶ谷の傍にはいられないから』




横｢…みっちゃん？｣




『俺がいなくなって……藤ヶ谷が悲しむのは嫌だ』






だから……だから、






横｢それでみっちゃんは後悔しない？｣




『……』






後悔なんて、





横｢俺にはみっちゃんの抱えてるものが何か分からないけど、今の自分の気持ちから逃げるのは、違うと思うよ。その後のことなんて、みっちゃんが決めることじゃない、太輔が決めることだし｣




『……、』




横｢それに、あんなに真っ直ぐなみっちゃんが、嘘をつけるとも俺は思わない｣






横尾さんの言葉は、清々しい程にはっきりとしてて、あぁ、そうだねってすんなりと入ってくる






横｢好きでしょ？｣






言ってもいいのかな



伝えても、藤ヶ谷は苦しまないかな






横｢みっちゃんは、どうしたい？｣







俺は……俺は、





『藤ヶ谷に……好きだって言いたい、藤ヶ谷に返事がしたい』




横｢ね、みっちゃんは正直ものなんだかりゃ、｣




『……ふふ』




横｢……噛んでましぇ、せんからね｣




『うん笑ごめんね遅い時間に。でも、横尾さんに電話して良かった』




横｢みっちゃんからの電話ならいつでもウェルカムよ〜｣




『ありがとう……っ』




横｢みっちゃん、お幸せにね｣




『……うんっ』






ありがとう横尾さん、



俺…横尾さんに出会えてよかった








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