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視界が天井と、金髪で埋まっていた
床に押し倒されて、頭の下にマイキーくんの手があった
「無防備だと思わねぇ?自分のこと」
目にかかった前髪を手で優しく避けながら私を見つめて言うマイキーくん
ホテルの部屋で男女が2人、お酒を飲むということはつまりそういう事で。男からしたら手を出してもいい、と言われているようなものなのは間違いない
「俺と付き合えばいいじゃん。その辺のよくわかんねぇ奴じゃなくて」
自分でも意外だったけど、マイキーくんから言われたその言葉にあまり驚きはしなかった
「…うん、じゃあ付き合おうよ」
目を逸らして言う私とは反対にマイキーくんは、じっと私を見つめていた
「俺の事すき?」
「すきだよ」
「嘘つけ」
「嘘じゃない」
アルコールで少し火照る体と、マイキーくんの匂いと、居心地の悪い沈黙
「ちげーだろ、お前は俺が都合いいだけだろ」
と、沈黙を破るその言葉に何も言い返せない自分が、すごく嫌で。
下唇を噛むしかなかった
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作者名:Anju | 作成日時:2022年8月13日 17時