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三ツ谷くんは、察しが良かった。
付き合い始めてから1年たった高3春、
受験という大きな壁を前に環境の変化についてこられず周りのカップルが次々と別れていった
毎日毎日膨大な勉強量をこなす中で、三ツ谷くんとも頻繁に会えなくなって、自分も少々不安定になっていた
精神的な部分で三ツ谷くんにだいぶ支えられていた私は、三ツ谷くんがいなくなって何も出来なくなるのが怖くてだんだんと距離をとるようになっていた
そんな私のことも、三ツ谷くんは口に出さずともわかっていたのかもしれない。
「俺はAの味方でいるからね」
実際三ツ谷くんは一言声をかけてきてくれた以降、変に言及してくることも無かった
だけど私たちは、その距離を戻す術を知らなかった
高校生くらいの年齢なら、素直に離れるのは嫌だと、
少々不格好になっても伝えていい歳だっただろうに。
気付いた時には受験も終わって、周りも落ち着いていたのに三ツ谷くんだけが遠い存在になっていて、そのまま卒業して
私は大学生、三ツ谷くんは、、、
それすら知らずに三ツ谷くんに会うことはもう出来ないだろうと、諦めたのが大学1年になる前の春
彼のLINEも、インスタも、
連絡を取れるものは全て消してしまった
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作者名:Anju | 作成日時:2022年8月13日 17時