【男主】その男、個性:絶頂！！【ヒロアカ】 (ページ11)

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ドカンという何かが当たって砕けたような衝撃音がするだけで、自分には何も起こらない。

状況を把握しようと目を開けると、そこには見慣れない顔があった。よく見たら、さっき小さいロボットを倒す時に見た人影だ。

その赤髪はロボットの腕を体全体で抑えるようにして止めている。

「……ｯ大丈夫か？」

明らかに限界が近い声で、赤髪は話しかけてきた。

なんともないように立ち振る舞う姿に思わず、ヒーローみたい、と思ってしまった。

鼓動が速くなるのを感じる。

そのせいなのか分からないが、自然と口から言葉が零れた。

「少し、唇貸せ。」

まだ無事な左腕で体を起こすと、相手の胸ぐらを掴む。

そして勢い良くキスをした。

赤髪は動揺しているのか目が泳いでいる。

俺はそれをいいことに舌をねじ込んだ。

俺の血液と赤髪の血液が混ざったような味がする。

それすらも興奮の材料になってしまうんだから俺はほんとに救いようのない……

視界が白く点滅したのを確認して、離れると糸を引いた。

赤髪を見れば、何が起きたのか理解できていない様子。

舌で口に着いた血を拭うと、不敵に笑う。

ふぅと息を吐くと再びロボットを見た。

あと3秒もないか。

地面を踏み締めて跳躍すると、ロボットの足に乗る。

そのまま跳び登るように首元まで移動すると呟いた。

最後の言葉を。

「ゼロ」
　

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