甘えたがり×彼氏×自傷= ページ31
: リツ :
君と俺を繋ぐ、赤い糸。
それは俺の小指に繋がってなくて、手首の傷から垂れる血に繋がっている。
君のほうはどうかな。小指に繋がっているのかな。
もしかしたら、今まで君に求められたいがために作ってきた傷全てから赤い糸が出てて、それが彼女の小指ではなく体に巻きついて縛っているのかもしれない。
なんて、怖いかな。
…でも、赤い糸と言えど一本じゃ不安だよね。
傷一つで君を縛れるはずがないもの。
傷口から血を流し、肌に痛々しい痣を作り、腕や足の骨を折り、自ら首を絞め
君へと繋がる赤い糸をたくさん作っていかないと。
この身を犠牲にしても、この命を犠牲にしても、君だけは僕の傍に。
「君がさ、俺のこういう行動…自傷行為や自ら命を絶とうとするのを止めてくれるのは」
「俺に傷ついてほしくなくて、俺に死んでほしくないからだよね?」
「君にとって俺が必要な存在だから大事な存在だから」
「君が俺を求めてくれているから」
「君が、俺を好きだから」
「だよね?」
俺が、自分を傷つけ壊そうとする。
それに対して、君が表情に不安と恐怖を滲ませて必死に止めてくれる。
それが凄く嬉しいんだ。幸せなんだ。
君が必死に俺の手を伸ばして、俺がいなきゃダメなんだって、俺にいてほしいって、そう求めてくれている気がして。
「えへへ、嬉しいなぁ」
「俺もね、君のこと、だぁいすき♡」
普段、彼女から愛情を注がれていないわけではない。
でも、足りないんだ。
俺は彼女だけにすべての愛情を注ぎこんでいるのに、彼女は違う。
俺以外にも、友人、家族など、他の人間にも注いでしまう愛情が存在する。
…俺以外に向けられてしまうその愛情も、全て俺が独り占めしたいんだ。
「…俺がいなくなったら、悲しい?」
「俺が傍にいなかったら、苦しい?」
甘えるように首を傾げる。
君は勿論と大きく頷いた。
優しく細められた目の奥に見える瞳は、何処か不安げな色を含んでいる。
「そっかぁ…」
「それって、君にとって俺が大きな存在ってことだよねぇ」
君が俺を引き止めてくれるときのあの表情、あの声、あの時の感情。
全ては俺のことが好きだという感情から来ているに違いない。
それが嬉しくって、頬を緩ませ、えへへとだらしなく笑う。
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林檎麻(プロフ) - お久しぶりです...!!リクエスト受け取ってくれてありがとうございます..!!とっても満足しました!! (2017年11月7日 23時) (レス) id: 5f64ee0b75 (このIDを非表示/違反報告)
不雲綺(プロフ) - ミユティさん» こちらこそありがとうございました!これからも彼に振り回されてやってください(笑 (2017年11月6日 22時) (レス) id: ccdc96260d (このIDを非表示/違反報告)
ミユティ(プロフ) - 久々の小見川くん、とても良かったです!!!!!良く考えたら小見川君のリクエストはこれで二回目ですね笑リクエストに答えて下さり本当にありがとうございます! (2017年11月6日 21時) (レス) id: ffac928163 (このIDを非表示/違反報告)
ももか(プロフ) - 不雲綺さん» そうだったんですか、全然大丈夫です!これからも更新頑張ってくださいね (2017年11月3日 22時) (レス) id: fd489c71d0 (このIDを非表示/違反報告)
不雲綺(プロフ) - ももかさん» 申し訳ありません。この作品は今リクエストいただいてるものを書き終えたら更新を一時停止する予定でして…リクエストは受け付けておりません。説明文にリクエスト中止と表記しておらず、申し訳ありませんでした。 (2017年11月2日 18時) (レス) id: d72d593e93 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:不雲綺 | 作成日時:2017年8月29日 17時