〃 ページ29
「僕の世界には、君だけ」
「君さえ僕の傍に、僕の中にいてくれれば」
「君の愛と体温を感じられれば」
「他には何もいらない」
「……そのかわり、君と言う存在は絶対になければいけないけれどね」
「Aちゃん」
「…大好きだよ」
吐かれた息に乗せながらそっと囁いて、後頭部に添えている手に力を込める。
「…っ」
キスをすると、唇から彼女の体温がじわりと僕の中に滲んでいった。
(このまま、)
(君と一つになってしまえればいいのに)
(君と溶け合えたらいいのに)
何度かリップ音が部屋に響いてから、顔が離れる。
体温が上がり、眠気ではない何かが意識をぼんやりとさせた。
頬を紅潮させた君は震えた息を吐くと、恥ずかしそうに視線を逸らす。
「ふふ、可愛い」
「そんな顔も好き」
「ほら、もっとよく見せて」
後頭部にやっていた手を滑らせ、顔を背けることを許さないと頬に手を添えた。
「君は本当に可愛いね」
「……恥ずかしい?」
「…そう。でも僕はそんな君を見ているのが好きだよ」
「僕のことを、意識してくれてるんだって実感できるからね」
キスをして苦しかったのか、恥ずかしさからか、君の瞳はほんの少しだけ潤んでいる。
小さく笑い声を出すと、君は一層恥ずかしそうに口をきつく閉じた。
頬を手の平で撫でながら、真っ赤になった耳の輪郭を指先でなぞる。
「僕だけがこんなにも君を想っているような、一方的な関係はよくないよね」
胸のどこかに虚無感を覚えながら口元に笑みを浮かべては見たけど、それはすぐに消えた。
君はそんな僕を見て、大好きだよ、と言葉を吐く。
静かに僕に愛を囁くその声は、ほんの少しでも僕の胸を軽くした。
「僕も」
「君が大好き」
「君がいないと生きていけないくらい」
「……ふふ、本当だよ?」
「君のいない世界なんて、僕は何を思って、何をして生きていけばいいのか分からない」
「君のいない世界で、僕は生きられないんだ」
「僕の全ての源は、君なんだ」
「何か考えるのも君のことだし、何か行動しようと思っても君のこと」
「君がいなければ、僕は何もできない。考えることも行動することも出来ない」
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林檎麻(プロフ) - お久しぶりです...!!リクエスト受け取ってくれてありがとうございます..!!とっても満足しました!! (2017年11月7日 23時) (
レス) id: 5f64ee0b75 (このIDを非表示/違反報告)
不雲綺(プロフ) - ミユティさん» こちらこそありがとうございました！これからも彼に振り回されてやってください(笑 (2017年11月6日 22時) (レス) id: ccdc96260d (このIDを非表示/違反報告)
ミユティ(プロフ) - 久々の小見川くん、とても良かったです!!!!!良く考えたら小見川君のリクエストはこれで二回目ですね笑リクエストに答えて下さり本当にありがとうございます！ (2017年11月6日 21時) (レス) id: ffac928163 (このIDを非表示/違反報告)
ももか(プロフ) - 不雲綺さん» そうだったんですか、全然大丈夫です！これからも更新頑張ってくださいね (2017年11月3日 22時) (レス) id: fd489c71d0 (このIDを非表示/違反報告)
不雲綺(プロフ) - ももかさん» 申し訳ありません。この作品は今リクエストいただいてるものを書き終えたら更新を一時停止する予定でして…リクエストは受け付けておりません。説明文にリクエスト中止と表記しておらず、申し訳ありませんでした。 (2017年11月2日 18時) (レス) id: d72d593e93 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：不雲綺
| 作成日時：2017年8月29日 17時
