検索窓
今日:19 hit、昨日:18 hit、合計:5,169 hit

Awakening from the nightmare ページ25

「何を考えているか知らないが、甘く見られると困る。」

頭上にやった短剣を下に振り下ろし、懐を狙った。それをすかさず弓兵が食い止める。

「もうバーサーカーの消滅は確認出来た。敵陣になる必要はないだろう。」

「いや。こちらはこちらで、決着を着けたいと思っていてね。」

短剣を振り払って足蹴りを食らわせる。小さく呻いて壁際に飛ばされる。流石にサーヴァントとやりあうのは体力的にも辛いか。

「ここでくたばると良い。きっと幸せだろうよ。」

「そんな顔してる英霊サマほっといて向こうには逝けないね」

キン、ガキン、と刃と刃がぶつかる。さっさとケリを着けたいもんだ。

「set!」

強化魔法を使う。家の意識化も重なって魔力消費が尋常でない。汗が静かに垂れ落ちる。

「オァァ!」

「ハァッ!」

血飛沫が、舞う。

赤い外套に染みる液体が、ドクドクと弓兵の腹から流れ落ちる。不思議と、両者はそれ以上顔を歪めるでもなく、笑うでもなく、ただ真顔で弓兵に突き刺さっている短剣を見つめていた。

ゆっくりと、丁寧に短剣を抜く。短剣に付いた血が、生々しい。

「俺の、勝ちだ。」

小さく呟いて、弓兵へと近付く。弓兵は何も言わず、ただ薄らと消えていっている指先を安堵の顔で見ていた。

「あぁ……私の、敗北だ。」

「消えさせはしない。パスを繋ぐから。」

「いや、それは拒もう。敗者がいなければならない理由など、聖杯戦争には存在しないからな。」

「なら、勝者の言う事を聞くのが、敗者の在り方なんじゃないか」

「…好きにしろ。減らず口は相変わらずだ。」

「遠慮なく、な。」

弓兵の核に意識を集中させる。パスを繋ぐ。弓兵の消滅が止まった。血は溢れて止まらない。

「アーチャー。霊体化しろ。その方が傷も治るだろう。」

「…む、分かった。」

霊体化すると、上からアルラーナと銀髪の少女が降りてきた。

「やっぱりアルラーナだったか。」

「やっぱりって何よ。私じゃ不満って事ですか」

「いや、そうじゃなくて。」

「サーヴァントの件…解決したのかしら……」

「あぁ、あれならもう問題無いよ。ありがとう。…えっと」

「ソフィア。ソフィア・エルゴット……。改めて、ランサーのマスターよ…よろしく。」

「バーサーカーが消滅したが、どうするマスター。」

ランサーが、セイバーと一緒に外から中へ入ってきた。

「中は結構荒らしたようだけど…どうなったんだい、ノアード」

「大丈夫。もう心配いらないよ、セイバー。」

At home→←Blindness



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.2/10 (5 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
6人がお気に入り
設定タグ:Fate , サーヴァント , FGO
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:白咲 アオン | 作成日時:2017年12月11日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。