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橙ｓｉｄｅ
暗くってちょっと寒い空の下歩く。
隣の淳太を見たらなんか考えとるように見えて、話しかけてみた。
「重岡、思っとったほど悪い奴ちゃうかったな。」
「……あぁ。」
「え、認めるんや。」
「別に、認めたわけとちゃうし。」
「なんやねん。」
もう半分ぐらい許しとるやん。
なんで認めへんねん、この人。
「俺はええと思うで、重岡。仕事もできるし、Aちゃんを支えてくれる。」
「……多分な。」
はぁと溜息をつく淳太。
寂しさがたっぷり詰まっとる頬を少し緩ませた。
「時間が経つのが早すぎやわ。」
「…そうやな。」
「一昨日ぐらいまではキャッキャ言いながら俺の方へハイハイしてきたんに…」
「そうやな。」
長かったような、短かったような。
26年前、初めて会社で淳太と会った時、シングルファザーやと知った時は驚いた。
新人のための歓迎会に誘われても、「すみません、家に娘が待ってますんで」と少しにやけながら断って帰ってったな。
Aちゃんが熱を出した時も、必死に仕事を終わらして走って会社出てった。
デスクの周りはAちゃんが作ってくれた折り紙や絵、父の日にもらった手紙で飾れとったし、二人で水族館に行った次の日、必ず部署のみんなに土産を持って来とった。
今では、淳太の娘愛は会社中に知られとる。
「あぁー。俺の娘、結婚するんか〜。」
頭をかきながらそう声を張った。
冷たい夜の空気へと響き、静かに消える。
「なぁ、照史。」
「ん？」
「…よかった。」
「何が？」
「Aを、、、ちゃんと愛してくれそうなやつでよかった。」
Aちゃんはずっと淳太の厳しさに苦労したと思うけど、
淳太は全部、愛しとるからやったことで、
結婚も、許さん許さんとか言っとるけど、
本当は、Aちゃんに幸せになってもらいと誰よりも思っとるから。
これはもう、時間の問題。
「うん。ほんまによかったな。」
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鳥(プロフ) - 華緑さん» 華緑さん、コメントありがとうございます！面白いという感想をいただくとすごく嬉しくなりますし、パワーをもらいます！更新頑張るのでこれからもよろしくお願いします。 (2018年2月14日 5時) (
レス) id: 5116593df8 (このIDを非表示/違反報告)
華緑 - 今日初めて読ませていただいて、めちゃくちゃ面白かったです！これからも更新楽しみにしています！ (2018年2月14日 0時) (レス) id: d61c4e1111 (このIDを非表示/違反報告)
鳥(プロフ) - むにょさん» むにょさん、コメントありがとうございます！面白いと感じてもらって嬉しいです！このお話はもうちょっと続くと思うので、最後まで楽しんで読んでください！これからも更新頑張ります！ (2018年2月5日 14時) (レス) id: 5116593df8 (このIDを非表示/違反報告)
むにょ(プロフ) - 今日、初めて読んだのですがとても面白いです！これからの更新楽しみにしています!! (2018年2月5日 13時) (レス) id: f982238095 (このIDを非表示/違反報告)
鳥(プロフ) - ルルモさん» ルルもさん、コメントありがとうございます！占ツクでは結婚にたどり着く小説が多いですが、その前の父親へのご挨拶などあまりないですよね。そう考えてたら、真っ先に過保護な淳太くんパパを思いつきました。笑 これからもよろしくお願いします！ (2018年1月29日 20時) (レス) id: 3e3ec56362 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鳥 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=kawaieri612
作成日時：2018年1月20日 3時
