その八 ページ10
「おい、此奴頼むぞ。」
「はいっ、不死川さま!」
そっ、と渡される私の体。実弥さんに「小さくなれるか?」と言われて、しゅるしゅると体を縮ませた。すると、何かの箱に入れられてしまった。
箱の蓋が閉められて、視界は真っ暗に染まる。なるほど、太陽の光を通さないように作られているのね。最近の技術は凄いものね、と感心していると、ガタガタと箱が揺れ始めた。
きっと、御館様なる人のところに連れてかれているのだと思う。私は特別鼻がいいとか、耳がいいとかは無いし、視力はいい方だけれど、辺りが真っ暗じゃ何も分かんない。ここが何処なのか、本当に御館様のもとに向かっているのかも分からない。
もしかしたら、ここら辺でぐさり、とやられちゃうのかもしれない。
「(まあでも、私頸の硬さと回復力の速さならどの鬼にも負けないから、殺されることの不安は無いわね。)」
暫くガタガタと揺られ続けて、大体三十分程度が経った頃かしら、箱がゆっくりと下された。地面に置かれる感触がして、出ても良いものなのかしら、と首を傾げる。
でも、何やら箱の外で、何人かが言い合う声が聞こえてきたものだから、私は物音立てず、その会話を耳を澄ましてきいていた。
実弥さんは殺さないけれど、なんらかの処分は与える。私には無惨さまや上弦の鬼の皆の情報を吐かせて頸を切る。
要約するとこんなお話だったわ。
むぅ……私がそんな簡単に無惨さまたちの情報を口にするとでも思っているのかしら。私を可愛がってくれている人たちのことを売るなんて真似は絶対にしないわ。
痛いことは嫌いだけれど、我慢してやるんだから。
ふんすっ、と箱の中で小さく拳を作っていると、こんこん、と箱が叩かれ、実弥さんの声が聞こえて来た。
「今から開けるぞ?」
そして、箱が開けられた。箱が開いた瞬間目に入ったのは、十人ほどの人間の姿と、きらきらと輝く太陽の光だった。
……なにこの人たち、早速私を消し炭にでもしようとしたのかしら。
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雪製レンガ - テストの山…私もその合間で見つけた…ジゴクダヨネ… (7月14日 20時) (レス) @page2 id: aacf113ce1 (このIDを非表示/違反報告)
実弥&左馬刻&勝己Love - 初めまして!凄く面白いです。実弥推しなので、嬉しいです♡このまま実弥とくっつけ笑笑更新待ち遠しいです。更新楽しみにしています( "´༥`" ) (2021年12月7日 12時) (レス) @page48 id: a5d4d80cb6 (このIDを非表示/違反報告)
まっひー - テストは私が殺ってやる!⇠ 作者様は夢小説をお書きになって下され!! (2021年11月30日 20時) (レス) @page3 id: d24aae8d9d (このIDを非表示/違反報告)
ななななな(プロフ) - こんなにテストを恨んだことはない、、、!作者様に早く更新できるようにして差し上げろ! (2021年10月12日 13時) (レス) @page49 id: ed46f7b247 (このIDを非表示/違反報告)
もかやん(プロフ) - テストの山大変ですね…(>_<)ファイトです*(°̀ᗝ°́)و (2021年10月12日 0時) (レス) @page49 id: c0d5dab732 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まぴおろごん@通りすがりの黒魔道士A | 作成日時:2020年1月13日 22時