その五 ページ7
「______風の呼吸壱の型 塵旋風・削ぎ」
私がハッと目を開けたとき、周りの雑魚鬼共は灰となって消えていた。いくら雑魚だとしても弱すぎるわね。と心の中で悪態をつく。けれど、顔は涙を流したまま。
私は沢山の鬼にいじめられていた可哀想な鬼。まぁその沢山の鬼たちも、私がお願いしていた子たちなんだけれど。
「ぅう、ひっく……」
静かな室内には、私の啜り泣く声が響いている。指と指の隙間から、私を助けてくれた男を盗み見る。全身に傷を負っていて、どうも良い人には見えなかった。こんな人が鬼殺隊に身を置いているのね。
そろり、と傷だらけの男の人が私に近付く。スッとしゃがんだかと思うと、私の頭にぽんっと手を置いた。
「何があったか、話せるかァ?」
「……ぅん。」
グス、と所々嗚咽を交えながら、たった今作ったお話をつらつらと述べていく。
私はこの屋敷に閉じ込められてた鬼で、毎晩あの鬼たちに殴られたり蹴られたりしていた、食べたくもない人間の血肉を無理矢理食べさせられた、抵抗するともっと痛めつけれた。なんて、目を真っ赤に腫らしながら男の人に言った。
彼は、わしゃわしゃと優しく私の頭を撫でると、「怖かったなぁ、よく頑張ったなぁ」と何故か褒めてくれた。
誰と間違えているのかは知らないけれど、彼は私に殺意や敵意を持っている様子は無かった。彼の私の頭に置いてある手を取って、スリと頬擦りした。
「ッ……!」
「あなた、優しいから好き……。お名前、教えて?」
こてん、と堕姫姉から教えてもらった魔法の角度で首を傾げる。すると傷だらけの男の人は顔を少しだけ赤に染めて、「不死川実弥」と言った。
「実弥さんかぁ……、助けてくれてありがと〜。」
上目遣いになるような位置で、ふわっと笑った。
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雪製レンガ - テストの山…私もその合間で見つけた…ジゴクダヨネ… (7月14日 20時) (レス) @page2 id: aacf113ce1 (このIDを非表示/違反報告)
実弥&左馬刻&勝己Love - 初めまして!凄く面白いです。実弥推しなので、嬉しいです♡このまま実弥とくっつけ笑笑更新待ち遠しいです。更新楽しみにしています( "´༥`" ) (2021年12月7日 12時) (レス) @page48 id: a5d4d80cb6 (このIDを非表示/違反報告)
まっひー - テストは私が殺ってやる!⇠ 作者様は夢小説をお書きになって下され!! (2021年11月30日 20時) (レス) @page3 id: d24aae8d9d (このIDを非表示/違反報告)
ななななな(プロフ) - こんなにテストを恨んだことはない、、、!作者様に早く更新できるようにして差し上げろ! (2021年10月12日 13時) (レス) @page49 id: ed46f7b247 (このIDを非表示/違反報告)
もかやん(プロフ) - テストの山大変ですね…(>_<)ファイトです*(°̀ᗝ°́)و (2021年10月12日 0時) (レス) @page49 id: c0d5dab732 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まぴおろごん@通りすがりの黒魔道士A | 作成日時:2020年1月13日 22時