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その三十八 ページ41

タッタッタ……、


 ほぉら、実弥さん大声に気付いてこっちに近づいて来てるじゃない。普通なら目の前のこの女も足音に気が付く筈なのに、気が狂ってるからか気付いている様子は無い。

 最っっ高の状態じゃない……!

 ニタリと口角を上げた私は、見たくもないけど目の前の不細工の女の目をじっと見つめた。すると、ヒステリックを起こしていた女がしゅうっ……と身を隠すように収まった。私はまな板の上に置いてあった包丁を取り、彼女の手に持たせる。




 「私の目を見て……、ほら、貴女のムカつく顔が目の前にあるわよ。あらあら、ぐーぜん貴女の利き手には包丁があるわね?今ならぐさっと行けるわよ、ほら、ほら……」

 「ぁ、あぁ……」

 「さあっ!!!」

 「あああぁぁあぁ、死ねクソ女ッ!!!!!」




 「ッなにしてんだ!!」




 ……チェックメイト。

 私の目前には、寸前で止まった包丁。切っ先は私の眼に向いていて、あともう少し遅かったら眼球にぐさりと行ってたわね。


 実弥さんが近付いて来てることが分かった私は、不細工が私に包丁を向けてくる瞬間に実弥さんが到着するように調整した。

 刺さる直前に止めてくれたら良いなあ、なんて思ってたけど、ほんと良いところで止めてくれたわね。




 「し、不死川さ……」

 「実弥さんっ……!」




 絶望しきった目で実弥さんを見つめる不細工は華麗に無視して、目に涙を溜めながら実弥さんに抱き付いた。

 実弥さんは不細工の手から包丁を奪いそこら辺に投げ捨てると、強い力で私を抱き締める。腕の中から顔を上げると、不細工が居る方向をこれでもかというほど睨み付けている実弥さんのお顔が。




 「説明しろ」

 「ち、違うんです不死川さまっ」

 「説明しろって言ってんだ、聞こえねェのかぁ?」

 「ひっ」




 あーぁ、ダメじゃないそんな怯えたような声出したら。自分がやりました〜って言ってるようなもんでしょ。ほんっと馬鹿な女、そんな頭で私を陥れようとするからこうなっちゃうのよ、少しは勉強に……あぁ、もう生かすことないわね。

 

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雪製レンガ - テストの山…私もその合間で見つけた…ジゴクダヨネ… (7月14日 20時) (レス) @page2 id: aacf113ce1 (このIDを非表示/違反報告)
実弥&左馬刻&勝己Love - 初めまして!凄く面白いです。実弥推しなので、嬉しいです♡このまま実弥とくっつけ笑笑更新待ち遠しいです。更新楽しみにしています( "´༥`" ) (2021年12月7日 12時) (レス) @page48 id: a5d4d80cb6 (このIDを非表示/違反報告)
まっひー - テストは私が殺ってやる!⇠ 作者様は夢小説をお書きになって下され!! (2021年11月30日 20時) (レス) @page3 id: d24aae8d9d (このIDを非表示/違反報告)
ななななな(プロフ) - こんなにテストを恨んだことはない、、、!作者様に早く更新できるようにして差し上げろ! (2021年10月12日 13時) (レス) @page49 id: ed46f7b247 (このIDを非表示/違反報告)
もかやん(プロフ) - テストの山大変ですね…(>_<)ファイトです*(°̀ᗝ°́)و (2021年10月12日 0時) (レス) @page49 id: c0d5dab732 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まぴおろごん@通りすがりの黒魔道士A | 作成日時:2020年1月13日 22時

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