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その三十二 ページ35

side Sanemi





 「……ん、」

 「おはようございます実弥さん。よく眠れましたか?」

 「Aか、あァ、よく寝れたわ」




 目を開けると、俺の傍には団扇を持ったAが座っていた。此奴が扇ぎ続けてくれてたから、気持ち良く眠れたって訳か。俺はAの小せえ頭にぽん、と手を置いて「ありがとよ」と言った。




 「ふふ。私が好きにやってることなので、お礼を言われる筋合いはありませんよ。」

 「そうかぃ」

 「あぁそうだわ!さっき隠の人に頼んで西瓜を買ってきてもらったの、実弥さん、西瓜はお好き?」

 「あぁ」

 「それなら一緒に食べましょう、冷やしてあるからきっと美味しいわ!」




 そう言うなりAは俺の両手をぐいっと立たせると、そのまま厨まで引っ張っていった。
 そういえば隠の女は一体何処で何やってんだか、掃除も料理も、今のところAがやってるように見えるが……、


 いや、彼奴の言ってることが正しいんなら、今まで家事は彼奴一人がやってた、ってことになるんだよな。

 少しくらい休んでても、文句は言えねえか。




 「西瓜食べ終わったらお稽古、しますか?」

 「あぁ、そうする。」

 「分かりました、それならお水の方も用意しておきますね!」

 「頼むわ。」




 その後は、Aと二人で冷えた西瓜を食べて、稽古に励んだ。

 ……俺を引っ張るAの力、思ったよりも強かった。やっぱり彼奴も鬼の一人なんだと、改めて思う。俺の母親を変え、家族を殺した鬼。本来ならば憎いはずなのに、何故か彼奴にはそういうドス黒い感情が向かない。


 不思議だ、変だ、奇妙だ。
 憎しみという感情を抑えることはそう易々と出来ない。普通に生活していても鬼に対する復讐心は必ず心にあるのに、Aを目の前にすると、何故かその感情は奥に引っ込んだかのように現れなくなる。

 訳分かんねえ……、モヤモヤとした気持ちを打ち払おうと、俺は目一杯刀を振るった。

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雪製レンガ - テストの山…私もその合間で見つけた…ジゴクダヨネ… (7月14日 20時) (レス) @page2 id: aacf113ce1 (このIDを非表示/違反報告)
実弥&左馬刻&勝己Love - 初めまして!凄く面白いです。実弥推しなので、嬉しいです♡このまま実弥とくっつけ笑笑更新待ち遠しいです。更新楽しみにしています( "´༥`" ) (2021年12月7日 12時) (レス) @page48 id: a5d4d80cb6 (このIDを非表示/違反報告)
まっひー - テストは私が殺ってやる!⇠ 作者様は夢小説をお書きになって下され!! (2021年11月30日 20時) (レス) @page3 id: d24aae8d9d (このIDを非表示/違反報告)
ななななな(プロフ) - こんなにテストを恨んだことはない、、、!作者様に早く更新できるようにして差し上げろ! (2021年10月12日 13時) (レス) @page49 id: ed46f7b247 (このIDを非表示/違反報告)
もかやん(プロフ) - テストの山大変ですね…(>_<)ファイトです*(°̀ᗝ°́)و (2021年10月12日 0時) (レス) @page49 id: c0d5dab732 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まぴおろごん@通りすがりの黒魔道士A | 作成日時:2020年1月13日 22時

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