その二十七 ページ30
side Sanemi
「くぁ……あァ、」
「もう昼か、適当に飯でも食って稽古に……って、なんだァ、この美味そうな匂いはぁ」
起きたばかりだっていうのに、腹が鳴りそうになる。いつもより乱雑に布団から抜け出して、そのまま部屋からも出る。
カッと眩しい太陽に照り付けられて、その眩しさに思わず空を見上げると、もくもくとした白い煙が、厨の方から漂っていることに気が付いた。
もう隠の野郎共は居ねェはずなんだがなぁ……昨日に引き続き、よく分かんねえことが起きるもんだ。と思いながら、厨までの道のりを歩く。
厨に近付いていくにつれて、その美味そうな匂いもどんどん強くなっていき____、
「あっ、おはようございます実弥さん!あーでも、お昼だからこんにちはかな?」
「……可愛い」
「え?」
「ッ!?なんでもねぇ!いや、何でも無くない!A、何で厨に居るんだァ、」
あっっぶねえ!!声に出すところだった……(出てます)
厨に立って料理を作っていたA。俺に気が付いて後ろを振り返ったAを見て、“可愛い”と思ってしまった。幸いなことにAには聞こえてなかったみてえだな、良し。
Aは俺の問いに「んー」と少し考え込むと、ふわりとした笑顔を浮かべながら答えた。
「実弥さんの助けになりたいな〜って思ったんです!」
「かわッ……ん"ん"、そうかァ、そりゃありがとなあ。」
「もうすぐお昼出来ますから、実弥さんは居間の方で待ってて下さいね。」
「おぅ、分かった」
ごく自然に厨を追い出された俺。
そのまま居間に直行して食卓に腰を下ろすと、ふぅ、と一息吐いた。そしてそのまま、俺は固まった。
……いや、何料理させてんだ。
隠が居ねえ日の昼.夜は、適当に外で食ったり、宇髄のとこで食ったりしていた俺。Aの奴、まさか毎度作ろうとか考えてねぇだろうな、約六日分の昼.夜なんて、すげえ量多くなるじゃねえか、そんな普段掛けさせる訳には……!
「実弥さんは塩かタレどちらがお好き?」
「塩で。」
___取り敢えず今は甘えるか。
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雪製レンガ - テストの山…私もその合間で見つけた…ジゴクダヨネ… (7月14日 20時) (レス) @page2 id: aacf113ce1 (このIDを非表示/違反報告)
実弥&左馬刻&勝己Love - 初めまして!凄く面白いです。実弥推しなので、嬉しいです♡このまま実弥とくっつけ笑笑更新待ち遠しいです。更新楽しみにしています( "´༥`" ) (2021年12月7日 12時) (レス) @page48 id: a5d4d80cb6 (このIDを非表示/違反報告)
まっひー - テストは私が殺ってやる!⇠ 作者様は夢小説をお書きになって下され!! (2021年11月30日 20時) (レス) @page3 id: d24aae8d9d (このIDを非表示/違反報告)
ななななな(プロフ) - こんなにテストを恨んだことはない、、、!作者様に早く更新できるようにして差し上げろ! (2021年10月12日 13時) (レス) @page49 id: ed46f7b247 (このIDを非表示/違反報告)
もかやん(プロフ) - テストの山大変ですね…(>_<)ファイトです*(°̀ᗝ°́)و (2021年10月12日 0時) (レス) @page49 id: c0d5dab732 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まぴおろごん@通りすがりの黒魔道士A | 作成日時:2020年1月13日 22時