【鬼滅の刃】どの時代でも、どんな種類でも、可愛いは絶対なのです。

その二十二 ページ25

side EvilWoman





　＿＿＿っなによあの女！！！

　まるで私を雑用係みたいに扱いやがって！私を使って良いのは不死川様だけなのに！今のだって、不死川様にお願いされなければ行かなかったのに！


　なによなによなによ！鬼のくせに、ちょっと顔が良くてちょっと特別だからって不死川様に大事にされて！意味が分かんない！

　ていうか何怖がってんのよ、鬼が人間に怖がる訳ないでしょ！あぁもうむしゃくしゃするわ！取り敢えず適当にそこら辺探して居ませんでしたって報告しとけば良いわ、それよりも今は、あの女鬼を処分するための例を考えないとね……。



　不死川様の寵愛を受けるのは私なんだから！センパイでもあの女鬼でもない……、この私よ！







＊＊＊







　「(さァて、どうしようかしら)」





　実弥さんが出て行った部屋の中。実弥さん気配は完全に消えたけれど、彼の耳の良さを侮っては駄目、例え部屋に一人きりだったとしても、屋敷に彼が居るんじゃ、下手にボロも出せないわ。
　まあ、この私がボロを出すだなんて、まずあり得ないことなんだけどね。


　まずはあの不細工がどう出てくるかを判断する必要があるわね。自作自演とかありきたりなことをやってくる可能性も勿論大いにあるけど(だって馬鹿そうだし)、馬鹿故の発想か何かがあるかもしれないもの。

　馬鹿をあまりにも下に見過ぎると、自分が痛い思いをすることになるわ。下に見るといっても本当にすぐ下、そうね、自分の足元あたりらへんの感じで見れば良いんじゃないかしら。



　というかあの不細工、ちゃんと先輩を探しているのかしら？

　日光は相変わらずうざったいし痛いけど、少しだけ我慢してお部屋の障子を開ける。あまり日光に当たらないように注意しながらそーっと覗き込むと、実弥さんの屋敷の庭を、般若みたいな顔をしながらぐるぐる適当に回ってる女の姿が見えた。


　……彼奴本当の馬鹿ね。自分の仕事場で怠ける奴が何処にいるっていうのよ。しかも主人の家の庭でよ？！はぁー、頭悪すぎでしょうあの女。呆れ通り越して可哀想にも思えてきたわ。

　私は静かに障子を閉めて、つまらなさそうな奴が相手になったことを嘆き、また深い溜息を吐いた。

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