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その十四 ページ17

「あ」

 「どうしたんですか、実弥さん」




 実弥さんの屋敷に到着してから大体一時間くらい経った頃かしら、隠と言われた女が持ってきたお萩を頬張る実弥さんを見ていたら、唐突に、実弥さんが口を開いたのだ。

 実弥さんは手に持っていた残りのお萩を丁寧にお皿に戻すと、少しだけ言いにくそうに話し始めた。




 「その、お前の他の服とか、寝床とか……何も用意してねぇから……」

 「えっ、そこまでしてもらう訳には……!」

 「鬼とはいえお前はれっきとした女だろォ?….…今からでも買いに行けば間に合うか。」

 「でも……!」

 「気にすんな、俺が好きでやりてえだけだ。」




 にこりと(あの怖い顔からは想像できない)優しい顔で微笑んだ実弥さんは、遠慮し続けた私の頭をぽんぽん、と優しく撫でた。

 此処で「でも」とか言って実弥さんの気遣いを無下にするような真似をしたら、逆にうざがられるようになっちゃうからね、遠慮するのは最初の数回までよ。


 殿方に華を持たせるのも女の務め!なんて、ちょっと前に堕姫姉が言ってたわ。それに、こんなに可愛い女に感謝されるって、男性からしてみれば嬉しい以外の何でもないでしょ。




 「ありがとう実弥さん!私、すごく嬉しい!」

 「ッ……お、おう。」




 にぱっ、と笑いかけると、実弥さんは面白いくらいに顔を赤く染めて、私の頭を何故かわしゃわしゃと乱暴に撫で回した。

 髪崩れちゃうじゃない!と心の中ではぶーぶー言ったけれど、決してそれを表情に出すことはなく、「きゃー!」とあくまで楽しげな悲鳴を上げた。


 さっきの隠だとか何だとかいう女には悪いけど、この感じを見る限り、実弥さんがあの女の気持ちに応えるようなことになるのは完璧にないわね。
 きっと、あの女は実弥さんに振り向いてもらえるよう色んな努力をしてきているんでしょうけど……、まず素が違い過ぎるし、私とあの女では、美に対する心、気持ちは天と地ほどの差があるわ。あの女が十の努力をしているのなら、私は百以上もの努力をしているの。




 「(ま、こればっかりは仕方ないわよね。)」




 スリ、と実弥さんの大きくてゴツゴツとしている手に顔を寄せる。その途端に、ほんのりと熱を感じた。

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雪製レンガ - テストの山…私もその合間で見つけた…ジゴクダヨネ… (7月14日 20時) (レス) @page2 id: aacf113ce1 (このIDを非表示/違反報告)
実弥&左馬刻&勝己Love - 初めまして!凄く面白いです。実弥推しなので、嬉しいです♡このまま実弥とくっつけ笑笑更新待ち遠しいです。更新楽しみにしています( "´༥`" ) (2021年12月7日 12時) (レス) @page48 id: a5d4d80cb6 (このIDを非表示/違反報告)
まっひー - テストは私が殺ってやる!⇠ 作者様は夢小説をお書きになって下され!! (2021年11月30日 20時) (レス) @page3 id: d24aae8d9d (このIDを非表示/違反報告)
ななななな(プロフ) - こんなにテストを恨んだことはない、、、!作者様に早く更新できるようにして差し上げろ! (2021年10月12日 13時) (レス) @page49 id: ed46f7b247 (このIDを非表示/違反報告)
もかやん(プロフ) - テストの山大変ですね…(>_<)ファイトです*(°̀ᗝ°́)و (2021年10月12日 0時) (レス) @page49 id: c0d5dab732 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まぴおろごん@通りすがりの黒魔道士A | 作成日時:2020年1月13日 22時

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