個性：重力操作

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「ぐっ…」

緩く手を握れば、男が地面に倒れた。妾はそれを確認すると、確保テープを巻く。

「なんで外にいる2人にテープ巻かなかったのかは、気かねェでやるよ」

「敵(ヴィラン)チーム、WIN！！！」

妾は立ち上がると、男と小物と氷をゆっくりと地面に下ろし、“個性”を解除した。

「1つ、覚えとけよ。誰も、重力(アタシ)から逃れれないってことをな」

実践でもなかなか動けんな…さすが、中也に散々しごかれただけあるわ。


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「お疲れさん！！緑谷少年以外は大きな怪我もなし！しかし、真摯に取り組んだ！！初めての訓練にしちゃ、皆上出来だったぜ！」

全員が戦闘訓練を終えると、モニタールームの下に行き、オールマイトの話を聞いた。

「相澤先生の後でこんな真っ当な授業…何か拍子抜けというか…」

「真っ当な授業もまた、私たちの自由さ！それじゃあ私は緑谷少年に講評を聞かせねば！着替えて教室にお戻り！！」

異様なほど早口で捲したてると、オールマイトは風のような速さでその場を去る。妾はその背中をジッと睨むように見た。

「怪しいな」

「どうかなさいました？」

「いや、別に」

やっぱ、オールマイト、なんか隠してんな。妾は別にどうでもいいが、他の奴らはどうか知らねェ。妾と同じように勘づいてる人間が、どれくらいいるんだろうな…。

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