理由と心配 ページ41
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「 な、なにから話せばいいでしょうか 」
「 急に走り出してった理由から 」
俯きがちだった視線をゆっくりと上げ先輩を見れば
こちらを見ていた。けれどその視線は心なしか
いつもより優しかった。
「 私が、… 変なことを言ったから、先輩は
嫌になって溜息を付いたんだろうなって思ったら
いてもたってもいられなくて、つい 」
ゆっくり、途切れ途切れだが理由を打ち明ける
先輩は急かそうともせず、軽く相槌を打ちながら
聞いてくれた。
「 悪かった 」
「 ……… え？ 」
全て話し終え、返事を待っていれば思いがけない
言葉に間抜けな声を出してしまう私。
先輩が謝る必要なんてないのに
「 俺が勘違いさせるようなことしちまった 」
「 いや、先輩はなにも悪くな「 でもなあ 」
「 ひっ 」
首を横に振りながら言えば私の言葉に被せるように
言う先輩の片手が私の頬に伸びたと思えば摘まれる
ちょっと、力、強い
「 勝手に飛び出してったと思えばどこにいるか
わかんねえし、第一危ねえだろうが。一回ヴィランに
拐われたんだぞもっと危機感持てこのクソガキ 」
「 い、いたいいたいいたい 」
先輩の手の力が更に加わるからそれは痛くて痛くて。
必死に剥がそうとするけど女の私の力では叶わなかって。
でも、凄く心配してくれたのは凄く伝わってきたから
「 ごへんなはい。せんはい 」
喋りづらさを感じながらも、ちゃんと謝る。
「 ブッサイク顔だな 」
「 なっ！ 」
パッと手を離しながらクスクスと笑った先輩を
軽く睨みつける。すぐブサイクとか、クソガキとか。
そればっかり言うんだからこの人は
「 今度からは気を付けろ 」
迷惑をかけたのは私の方だ。ゆっくりと頷けば
満足したように先輩はまた飲み物に手をつける。
私も机にあったペットボトルを手に取り飲もうとする
と、
「 次は電車の中で言ってたことだろ 」
触れられたくなかった話を持ち出してくる。
思わず飲んでいたジュースを吹き出してしまう
ところだった。危ない …
「 あ、あれですか 」
「 勝己先輩がいいんだろ 」
また、意地悪な顔で笑いながらそう言う。
どんどん顔が熱くなって行くのが自分でもわかった
自分で言ったくせに、改めて思い出すともう
消えてしまいそうなくらい恥ずかしい
「 俺のこと、好きなんかよ 」
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以恋(プロフ) - 宙さん» お褒めの言葉ありがとうございます（ ; ; ）続編の方もぜひよろしくお願いいたします！ (2020年3月7日 9時) (
レス) id: 3b71a2a429 (このIDを非表示/違反報告)
宙(プロフ) - 作者様爆豪の飴と鞭使い方すごくどストライク(´∇｀) (2020年3月4日 16時) (レス) id: a1083db659 (このIDを非表示/違反報告)
宙(プロフ) - え、何この小説。妄想すると自然と口角上へと向かっていきますね。え、控えめに言って最高です！これからも頑張ってください！ (2020年3月4日 16時) (レス) id: a1083db659 (このIDを非表示/違反報告)
以恋(プロフ) - Omisoさん» うわああ（ ; ; ）素晴らしいなんてとんでもないです！嬉しいお言葉をありがとうございます！続編の方ただいま作成中ですので、今後ともよろしくお願いします！（ ; ; ） (2020年3月3日 10時) (レス) id: c92cf6abc6 (このIDを非表示/違反報告)
Omiso(プロフ) - 最後まで読みました！とても素敵な作品で物語の構成の素晴らしさに感嘆しました！！続編の方応援しています！ (2020年3月3日 0時) (レス) id: d4a65dd1ab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：以恋 | 作成日時：2020年2月15日 3時
