先輩の手 ページ21
.
「 なんとか東京駅に着いたけ、ど 」
「 ひ。広すぎる …. 」
私は勝己先輩のリュックを、緑谷先輩は轟先輩の
リュックをぎゅっと握り締め人々が行き交う構内に
立ち尽くす
勝手に歩き回らない様にと制御されている2人は
なんとなく不機嫌そうだった。
「 相澤先生は入り口の前でヒーローが
待っていてくれるって言ってたんだけど 」
「 入り口の数多すぎてどこのに行ったらいいか 」
到着早々に大ピンチの私たち。いや、私と緑谷先輩。
勝己先輩はリードに繋がれた大型犬の様に今にも離れたがっているし轟先輩はずっと
「 緑谷、あれはなんだ？ 」「 緑谷、腹が減った 」
と緑谷連呼をしている。そろそろ緑谷先輩が心配だ
この人たちなんで戦闘になると超優秀なのに
こんなポンコツなんだろう ………
「 A 」
「 はい、なんですか先輩 」
あからさまに不機嫌そうな声で私を呼ぶ勝己先輩の
方を向き首を傾げればどこか指を指していた。
勝己先輩の指先を追って見れば
「 あ！ヒーローだ … ！ 」
ヒーロースーツを纏った超有名プロヒーローが
南入り口付近に見えた。私たちを探しているのだろう
「 緑谷先輩！ヒーロー見つけました！ 」
「 え！本当！さすがAちゃん！ 」
「 俺が見つけたんだよクソデクが！！！！ 」
「 わ、ちょ、まって 」
ズンズン、と進んでいってしまう先輩に引っ張られる様に私も勝己先輩の後を追う。緑谷先輩平気かなあ
こんな人混みの中あのポンコ … 轟先輩を連れて
来られるのか
「 手離せや 」
「 ダメです！1人でどっか行っちゃうでしょ！ 」
「 いいから離せって言ってんだよ！！ 」
リュックをきつく掴んで離さない手を先輩の力で
いとも簡単に剥がされてしまう。
「 もう！離れ離れになっても知りませんからね 」
「 あ？リュックじゃなくてこっち掴んでろや 」
そう言って先ほどの私の手を取り、
ギュッと掴んでくる、勝己先輩の手。
私より大きくて、暖かい手だった。
「 … リュックはダメなのに手はいいんですか 」
「 っるせぇわクソガキ 」
そう言いながら私に歩幅を合わせるなんてせずに
構わず進んでいってしまう勝己先輩。
そんな先輩の耳が少し赤く染まった様に見えたのは
気のせいなんだろうか。
「 Aちゃんが居ない！Aちゃん！？ 」
「 緑谷、あそこに蕎麦屋が 「 轟君は一回黙って！ 」
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以恋(プロフ) - 宙さん» お褒めの言葉ありがとうございます（ ; ; ）続編の方もぜひよろしくお願いいたします！ (2020年3月7日 9時) (
レス) id: 3b71a2a429 (このIDを非表示/違反報告)
宙(プロフ) - 作者様爆豪の飴と鞭使い方すごくどストライク(´∇｀) (2020年3月4日 16時) (レス) id: a1083db659 (このIDを非表示/違反報告)
宙(プロフ) - え、何この小説。妄想すると自然と口角上へと向かっていきますね。え、控えめに言って最高です！これからも頑張ってください！ (2020年3月4日 16時) (レス) id: a1083db659 (このIDを非表示/違反報告)
以恋(プロフ) - Omisoさん» うわああ（ ; ; ）素晴らしいなんてとんでもないです！嬉しいお言葉をありがとうございます！続編の方ただいま作成中ですので、今後ともよろしくお願いします！（ ; ; ） (2020年3月3日 10時) (レス) id: c92cf6abc6 (このIDを非表示/違反報告)
Omiso(プロフ) - 最後まで読みました！とても素敵な作品で物語の構成の素晴らしさに感嘆しました！！続編の方応援しています！ (2020年3月3日 0時) (レス) id: d4a65dd1ab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：以恋 | 作成日時：2020年2月15日 3時
