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オタク Ritsu.D ページ22

『きゃーーー!!』


家に帰ってきた途端、Aの悲鳴が聞こえた。
荷物を投げ捨ててリビングへと走る。



「A、どないしたん?!」

『きた!きた!!』

「何が?」

『ランダムアクキー!一発で推しが出てきてくれたの、神引きしたの〜!!』

「···は?」


思わずため息をついてしまった。
あんなに必死になったのに、というのが正直な気持ちだった。


「もー···ほんま寿命縮んだわ」

『ごめんごめん。最近全然推し引けてなかったからさ、もう嬉しくて嬉しくて···』


そう言ってAは苦笑した。


いや、ちょっと待て。一体いくら積んだんだ。その推しとやらを引き当てるためだけに。

Aは俺じゃなくて、推しに夢中?


···冗談じゃない。



「なぁA。その推しと彼氏の俺、どっちが好きなん?」

『えっ』

「ん?」


Aは目を泳がせた。俺はじわじわと彼女との距離を詰めていく。
そして観念したかのように、彼女はようやく口を開いた。


『···結論から言えば、どっちも好き』

「は?」

『いや待って一旦話聞いて』

「···」

『いい?推しへの"好き"は皆と共有したい"好き"だけど、律への"好き"は誰にも分かってほしくない"好き"なの。だからね、あの···』



Aは顔を赤くして俯いた。その彼女の表情が堪らなく可愛くて、俺はさらに距離を詰める。


「へぇー···」

『待って許して、推しに必要以上にお金貢いじゃったのはほんとに悪いと思ってるから!』



壁に片肘をついて、Aの瞳をじーっと見つめる。


『ひっ···』

「···ごめん。嫉妬してちょい意地悪した」

『ほぇ?』

「まあ、あれや。自己破産だけはせぇへんようにな」

『···はい』



俺はAの頭をくしゃくしゃと撫でて、玄関に投げ捨ててきた荷物を取りに行った。






(requested by ミミミのミ様)

宥め Shogo.T→←怪盗 Takumi.M



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茜屋(プロフ) - kangarooさん» 良かったです🫶リクエストありがとうございました!! (5月16日 16時) (レス) id: 556e637f1a (このIDを非表示/違反報告)
kangaroo(プロフ) - 茜屋さん» リクエスト書いてくださってありがとうございます!!めっちゃきゅんきゅんしました...。 (5月16日 15時) (レス) @page29 id: a52eba175e (このIDを非表示/違反報告)
茜屋(プロフ) - kangarooさん» 承りました!リクエストありがとうございます!! (2023年5月11日 6時) (レス) id: 556e637f1a (このIDを非表示/違反報告)
kangaroo(プロフ) - コメント失礼しますっ。リクエストで、傷跡シリーズの谷口書いてほしいです!いつもきゅんきゅんな物語ありがとうございます!! (2023年5月10日 22時) (レス) @page28 id: a52eba175e (このIDを非表示/違反報告)
茜屋(プロフ) - おさすみさん» 了解です!リクエストありがとうございます💞💞 (2023年5月9日 6時) (レス) id: 556e637f1a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:茜屋 | 作成日時:2023年1月30日 8時

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