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怪盗 Takumi.M ページ21

"今夜、皇帝の宝石をいただきます"


その予告状を受け取った警察は、美術館の閉館時間から厳戒態勢を敷いていた。


床から天井まで張り巡らされた大量のセキュリティレーザーと、フロアを監視する何人もの警察官。

俺はそれをくぐり抜け、誰にも見つかることなく美術館の最奥へと辿り着いた。



今回のお目当ては、"皇帝の宝石"ことアレキサンドライト。"昼のエメラルド、夜のルビー"とも称されるこの宝石は、当たる光の色によって石の色が変わるという超希少石。

俺は宝石が収められたガラスケースに手を伸ばした。



『そこまでよ』


後ろを振り返ると、仮面をつけてスリーピーススーツを着た女性が立っていた。


『今すぐそこから離れて。それは私のものよ』

「また会いましたね、"ハート"」

『"サウス"···。あんたにだけは会いたくなかったわ』

「まあ、そう仰らずに。ここでまた会えたのも何かの縁だ。これ、半分はあなたに差し上げます」

『···なんのつもり?』


宝石を彼女に手渡し、天窓を開けて立ち去ろうとすると、突然激しい音を立てて扉が響いた。


《おい、いたぞ!あそこだ!!》

「おっと、面倒な連中に見つかってしまいました。ハート、こっちです」

『なっ、離しなさいよ!』


俺は彼女の腕を引いて、暗闇の中を翔んだ。














『···まさか、この私があんたとタッグを組むだなんてね』

「ええ。あれから3年、ですか。私をあんなに嫌っていたのに、ハートは面白い人ですね」

『うっさいわよ。···で、今日のお目当ては?』

「"サファイアの王"の指輪です」

『パパラチアサファイアかー。そうだ、それ私にくれない?』

「···勿論」

『え?』


彼女は目を丸くして俺の顔を見た。


『あのサウスがこんなにあっさり···。頭でも打った?』

「心外ですね。それと、俺のことは今後"タクミ"と呼んでください。Aも近々"サウス"になるんですから」

『は?!今あんたなんて···』



俺は彼女に予告状を投げ渡して、空へと飛び立った。







"今夜、あなたの心をいただきます"





(requested by 恋時雨様)

オタク Ritsu.D→←妹 Ao.T



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茜屋(プロフ) - kangarooさん» 良かったです🫶リクエストありがとうございました!! (5月16日 16時) (レス) id: 556e637f1a (このIDを非表示/違反報告)
kangaroo(プロフ) - 茜屋さん» リクエスト書いてくださってありがとうございます!!めっちゃきゅんきゅんしました...。 (5月16日 15時) (レス) @page29 id: a52eba175e (このIDを非表示/違反報告)
茜屋(プロフ) - kangarooさん» 承りました!リクエストありがとうございます!! (2023年5月11日 6時) (レス) id: 556e637f1a (このIDを非表示/違反報告)
kangaroo(プロフ) - コメント失礼しますっ。リクエストで、傷跡シリーズの谷口書いてほしいです!いつもきゅんきゅんな物語ありがとうございます!! (2023年5月10日 22時) (レス) @page28 id: a52eba175e (このIDを非表示/違反報告)
茜屋(プロフ) - おさすみさん» 了解です!リクエストありがとうございます💞💞 (2023年5月9日 6時) (レス) id: 556e637f1a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:茜屋 | 作成日時:2023年1月30日 8時

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