労り Takumi.M ページ11
なぜ俺はあの大事な場面でPKを外したのか。
俺に時間を戻せる能力があったら、あのときに戻って今度は決めてやるのに。
俺は今そんな思いに苛まれながら、ソファに横になっている。
もういっそのこと眠りに落ちてしまおうと目を閉じた瞬間、ふかふかとしたものが体全体に触れる。
『あ、ごめん、起こしちゃった?』
「んーん。ありがと」
ソファに肘をついたAの髪をさらさらと撫でると、彼女はくすぐったそうに笑った。
「···さっき、またあれを突然思い出してん」
『ああ、例のあれね』
「そう。いつまで引きずってんだって感じやんな」
『まあ···そんなに重く考える必要はないわよ。誰も拓実のせいだなんて思ってる人はいないわ』
Aはそう優しい声で言って立ち上がった。
『ベッドじゃなくていいの?』
「ええよ。すぐ起きるつもりやし」
『そっか。じゃ、ご飯できたら起こすから。おやすみ』
Aは少し恥ずかしそうに俺の額にキスをした。
そんな彼女が可愛くて、俺はAの顎を掴んで自分の顔に引き寄せた。
柔らかな唇に、己の唇を重ねる。
「ありがと。おやすみ」
『···ずるい』
Aは顔を紅潮させてキッチンへと向かった。
今日はいい夢が見れそうな気がする。
(requested by かむかむ様)
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茜屋(プロフ) - kangarooさん» 良かったです🫶リクエストありがとうございました!! (5月16日 16時) (レス) id: 556e637f1a (このIDを非表示/違反報告)
kangaroo(プロフ) - 茜屋さん» リクエスト書いてくださってありがとうございます!!めっちゃきゅんきゅんしました...。 (5月16日 15時) (レス) @page29 id: a52eba175e (このIDを非表示/違反報告)
茜屋(プロフ) - kangarooさん» 承りました!リクエストありがとうございます!! (2023年5月11日 6時) (レス) id: 556e637f1a (このIDを非表示/違反報告)
kangaroo(プロフ) - コメント失礼しますっ。リクエストで、傷跡シリーズの谷口書いてほしいです!いつもきゅんきゅんな物語ありがとうございます!! (2023年5月10日 22時) (レス) @page28 id: a52eba175e (このIDを非表示/違反報告)
茜屋(プロフ) - おさすみさん» 了解です!リクエストありがとうございます💞💞 (2023年5月9日 6時) (レス) id: 556e637f1a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:茜屋 | 作成日時:2023年1月30日 8時