検索窓
今日:38 hit、昨日:20 hit、合計:67,493 hit

_ Kaoru.M ページ2

「A、おはよ」

『···おやすみ』

「寝んな。もう7時だぞ」

『いやだ』


一緒に登校しようとAの家まで迎えに行ってみたら、案の定彼女はこの状態だった。

ここから学校までは自転車でだいたい30分かかる。そろそろ起きてもらわないと間に合わない。

ということで、Aから布団を剥ぎとる。


「ほら、頑張れ。始業に間に合わなくなるよ」

『いいよ別に。学校行きたくないし』

「···どういうこと?」


そう訊くとAは枕を抱き寄せて小さく丸まり、寂しげな声で言う。



『···私最近、クラスの女の子たちから除け者にされてる気がして。昨日の放課後も陰口言われてるの聞いちゃったし、あそこには居場所がないから···もう行きたくないの·····』


あまりの悔しさに手の先に力が入る。そして同時に、彼女をここまで追いやった奴らへの憤りがふつふつと湧き上がってくる。


「いや、だめだ。お前が行かなくなったらまさにそいつらの思うつぼだ。嫌かもしれないけど、意地でも登校して」


俺は震えるAの肩をぎゅっと抱きしめる。


「大丈夫。辛いのはもう今日で終わりにしよう。俺が絶対にAを守る」


Aは俺の腕の中でゆっくりと首を縦に動かした。


『···分かった、頑張る。薫のこと信じる』

「うん。もうこんな思いさせないから。信じてて」



俺は心に固く誓うように、Aを抱擁した腕に少しだけ力を込めた。






(requested by祈様)

メイド Ko.I→←後押し Takumi.M



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (64 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
277人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

茜屋(プロフ) - kangarooさん» 良かったです🫶リクエストありがとうございました!! (5月16日 16時) (レス) id: 556e637f1a (このIDを非表示/違反報告)
kangaroo(プロフ) - 茜屋さん» リクエスト書いてくださってありがとうございます!!めっちゃきゅんきゅんしました...。 (5月16日 15時) (レス) @page29 id: a52eba175e (このIDを非表示/違反報告)
茜屋(プロフ) - kangarooさん» 承りました!リクエストありがとうございます!! (2023年5月11日 6時) (レス) id: 556e637f1a (このIDを非表示/違反報告)
kangaroo(プロフ) - コメント失礼しますっ。リクエストで、傷跡シリーズの谷口書いてほしいです!いつもきゅんきゅんな物語ありがとうございます!! (2023年5月10日 22時) (レス) @page28 id: a52eba175e (このIDを非表示/違反報告)
茜屋(プロフ) - おさすみさん» 了解です!リクエストありがとうございます💞💞 (2023年5月9日 6時) (レス) id: 556e637f1a (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:茜屋 | 作成日時:2023年1月30日 8時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。