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▽ ページ19
私は彼に、一目惚れをした。
どうしても好きになってほしくて、いろんな努力をした。
しかしそれが彼に届くことはなかった。
ある時、人を虜にする呪文があると聞いた。
ズルはしたくなかった。
でも、そうでもしなきゃきっと彼には届かないから。
仕方がなかった、なんていうのは言い訳でしかない。
「ヴィルスドゥ」
あれは呪いだ。
かけられた者はかけた者以外、誰も見えなくなってしまう。
私は後悔した。
彼にこの呪文をかけてしまったことを。
自分の傲慢を、彼に押しつけてしまった。
彼に、苦しい思いをさせてしまった。
だから、告白された時、解除しようと思った。
「ヴィーダンケ」
確かにそう唱えた。
でも、きっと彼には届いていなかった。
すまなかったね、トントン君。私の傲慢に付き合わせてしまって。これでさよならだ。
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作者名：人形傀儡 x他7人 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/setting.php
作成日時：2022年7月25日 16時
