【d!】軽く病むくらいが丁度いい。【合作】 (ページ16)

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傲慢な呪い/tn ページ16

いつから、なんて覚えていない。

気付けば虜になっていた。

ある時からふっと、あの人しか見えなくなっていた。

「あ、あの！えぇと、す、すすすす好きです！付き合ってくれませんか？」

言ってしまった。
もう2度とやり直せない。
付き合ってくれるとは思ってなかったけど、やっぱり期待したかった。少しでも希望を持っていたかった。そうでなきゃ、やってられなかった。
それでも、俺なんかと付き合ってくれることはなかった。

「あー、すっごく申し訳ないんだが、君とは付き合えないな。知っているだろう？私には付き合っている人がいること」

本当は今すぐにでも泣き喚きたかった。
わかっていても、少しでも期待をしてしまったら、あとは後悔と辛さが重くのしかかってくるんや。

「…そう、そうよな。すまん！今日のことは忘れてくれ！じゃあ！！」

少しでも早くここから立ち去りたかった。
そうでもしなきゃきっとカッコ悪い姿を見られてしまっていただろうから。
顔を向けずに、ただ全力で走り去ることだけを考えていたから、その時、あの人が何か言っていたことも気づかなかった。