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撮影後。
ロケマサがヒカルに。
あたしは上司の捧さんに呼び出された。
ロケマサと肩を竦めあって、武運を祈るとテレパシーを送りグータッチ。
相馬さんと名人はそれを楽しそうに見ていた。
捧さんに連れてこられたのは玄関前。
リビングまで聞こえそうといえば聞こえそうで怖いけど、違う部屋に勝手に入るわけにもいかない。
「まず聞くけど、さっきのヒカルくんのはガチだよね?」
動画ではあまり見せることのない厳しい部分。
美容室にいた時もホントに何度かしか見たことない表情。
きっとヒカルの部屋では、同じようにロケマサもヒカルの厳しい表情を見てるだろう。
はい、と頷いたあたしに連動するように捧さんは首を何度か縦に振って、自分にその事実を受け入れさせようとしてるように思えた。
「正直逆だったら即やめさせてる」
「それはそうですよね」
「うん。ヒカルくんを好きで、相手になりたい人は世間に沢山いるから」
人の前に立つということは。
女性人気を獲得していくということは、否が応でもそういう感情を持たれることになる。
それでもヒカルは我が道を貫いてそれが許されるスタイルを創り上げてきた。
ただ、誰にも本気ではないという意志の元。
「今まで笑顔でAに寄ってきた人があの動画を流してからは手のひら返しする人も少なくないよ」
「はい、分かってます」
「そこを考えない人じゃないから、ヒカルくんが全力で守るとは思うけど。もちろん他ネクステ全員で壁にもなるけど、」
言葉が一旦切られた。
分かってる。
心配してくれているのは。
怒らなくて、気が利いて、何に対してもスペックの高い上司。
そんな出来た人があたしを気にかけてくれている。
「いつまでもお姫様じゃ居られないから、早めに判断するんだよ」
ネクステに姫などいらない。
最強を目指す途中で、姫の警護などしてられない。
ああ、この人は。
あの時からすごく
ヒカルの看板を下から持ち上げてきたんだ。
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яeu(プロフ) - セティさん» ありがとうございます。ものすごくモチベーションになりますm(_ _)m 頑張りますね! (2021年3月29日 21時) (レス) id: c91b141c55 (このIDを非表示/違反報告)
セティ(プロフ) - はじめまして。続き楽しみにしていますので、無理なく更新していただけたら嬉しいです。 (2021年3月29日 15時) (レス) id: 1fbb8090be (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:яeu | 作成日時:2021年3月9日 21時