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さっきまで名人が座っていた場所と全く同じ位置にドサッと腰を下ろした。
ただ単にもう演技スイッチが入っていると思ってるのか、ロケマサたちは菩薩のような顔でこっちを見守っている。



あたしは、そうではないんじゃないかと思った。



『なあ』


「ん?」



素の会話なのか演技なのかよく分からないまま劇場が開幕されていく。



『さっきからムカつくんやけど』


「…なんで?笑」



唐突すぎてつい笑いが漏れてしまった。
でも、すごく真剣な顔で真っ直ぐ見つめてくるからすぐにその笑いは消えていった。



演技以上に、何か伝わるものがある。
画面外で見てるメンバーたちのそれが伝わるかは分からないけどニヤけてるから多分伝わってなさそう。



唯一、カメラの横で待機してるまえっさんだけは何か神妙な面持ちだった。



『えらい嬉しそうやん、俺以外のやつに抱きしめられて』


「え、だって」


『俺からは逃げた割に名人とロケマサは受け入れるん?』



メンバーの表情が変わってきている。
これは本当に演技なのか疑問を持ち出している。
ロケマサはもう気づいてるかもしれない。



これが、動画上の演技と言いきれないことに。



「ヒカル」


『Aの気持ち聞かせてや』



カメラは止められない。



「…あたしは、」


「……分からない。たまにキュンてなることはあってもヒカルをそういう気持ちで見たことがない」


『俺が女関係やばいから?』



誰も止めはしない。
どうして、何でこうこの男は狡いんだろう。



なにか下手なことも言えない。
かと言って無言も許されない。
逃げることも、できない。
何処にも行けないように包囲しきって。



まるで目を見ると石化するメデューサや技を食らうと石化してしまう某海賊漫画の女帝の様。
捕らえて離しはしない。

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яeu(プロフ) - セティさん» ありがとうございます。ものすごくモチベーションになりますm(_ _)m 頑張りますね! (2021年3月29日 21時) (レス) id: c91b141c55 (このIDを非表示/違反報告)
セティ(プロフ) - はじめまして。続き楽しみにしていますので、無理なく更新していただけたら嬉しいです。 (2021年3月29日 15時) (レス) id: 1fbb8090be (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:яeu | 作成日時:2021年3月9日 21時

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