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途中からつけたテレビをぼんやり見ながらとりあえず酒を流し込む。
ふわふわする程度に酔えればいいなと思って飲んでたら、いつの間にかテーブルの上の缶は全部空になってた。
やっぱりチューハイじゃ酔うのは難しいか。
「全部飲んだんすか?」
いつもより低く落ち着いたトーンの声が隣から聞こえた。
あたしがテレビを付けると同時に、ロケマサはパソコンを持ってきてカタカタ指を動かしながらたまにおつまみをくわえるような感じになった。
YouTubeのめんどくさいとこは何と言っても編集。
撮るのはわりかし簡単でも、編集が追いつかなければ出せず更に編集技術も求められる。
元々裏方だったからその辺の厳しさはロケマサのがよくわかってると思うけど、それでも必死にあの人に食らいついていくのは誰にでも出来ることじゃない。
主役が主役ならそれを支えるサポーターたちも並々ならぬ悩みと壁を越えてきている。
すごいよねえ、みんな。
「飲んだよ」
「まだいります?」
「ううん。いいよいいよ」
頑張ってる人の手を止めてはいけない。
そして、真剣な顔のロケマサはなかなか見られるものじゃない。
いつもニコニコしてて可愛い後輩感マックスだからね。
写真でも撮ってストーリーにあげたら…って思ったけど流石にこの時間にあげたらなんやかやと言われる気がするな。
まあ、とりあえず収めるだけ収めておこう。
しばらくカメラを向けてみたが一向に気づかない。
もしこれを客観的に見たら、構って欲しい彼女みたいに見えてしまうかもしれないが。
試しに撮ってみよう。
カシャリ、という音と共にロケマサがこっちを見た。
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яeu(プロフ) - セティさん» ありがとうございます。ものすごくモチベーションになりますm(_ _)m 頑張りますね! (2021年3月29日 21時) (レス) id: c91b141c55 (このIDを非表示/違反報告)
セティ(プロフ) - はじめまして。続き楽しみにしていますので、無理なく更新していただけたら嬉しいです。 (2021年3月29日 15時) (レス) id: 1fbb8090be (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:яeu | 作成日時:2021年3月9日 21時