才能 【ヒカル】

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敏感だからかすぐ暴れ出したヒカル。
なんでくすぐりで起こしたかというと、もちろん視聴者さんに言われたから。



そうじゃないとこの男をくすぐりで起こそうなんざ誰も思わないし実行しない。
でも今回は後ろにちゃんとまえっさんがカメラを持ってついてきてるので怖いもの無し。
視聴者さんのおかげて合法的にイタズラできます。



『ちょっ、起きた起きた、誰やねんほんまやめろ、』



運悪く掴まれたのはあたしの手。
付き合いが長いからか上手くロケマサは抜け出して、素知らぬ顔でまえっさんの隣に逃げてる。



『…A』


｢ご、ごめんなさい…笑｣


『わろてんな、お仕置やなぁ？』


｢勘弁して下さいロケマサに言われたんで！｣


｢こっちに振らないでくださいよ！笑｣



寝起きのまだ掠れた声。
手首を掴んでいる力がどんどん強くなる。
助けてくれえ……何であたしだけ…



ヒカルの横に転がったまま身動き出来ずにいると、
くるりと回転したツートンカラーがあたしに馬乗りになった。
これはまずい。



｢ヒカル、カメラ回ってるからそれはちょっと｣


『そんなん知らん、やってきたんそっちやろ』


｢ロケマサが…｣


『朝からあんな興奮することされたらたまったもんちゃうわ』



こ、興奮…なのか…
癖が歪んでるのは知ってるけど今ここでそれを発揮されるのは困る。
大いに困る。



助けを求めてロケマサやカメラ越しのまえっさんに視線を送るが2人とも楽しそうにこっちを見てるだけで、助けようという気は全く感じられない。
軽々しくイタズラしたのが間違いだった…



｢おはよー、ってヒカルなにやってんの！笑｣



緑の救世主、降臨。

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