17. ページ17
きゅっと蛇口をひねると、冷たい水が頭を濡らす。
頭を洗うために鏡を見ると、そこにはやせ細った小さな少年がいた。
細い、なんてお世辞にも言えない。不健康な細さ。
それに加え、背の低さ。モデルには身長が不可欠とは言うけれど、こればかりはどうしようもない。
しっかりとしたご飯。しっかりとした生活習慣。そんな保健の目標にでも取り上げられそうな事柄ができていない所以だろう。
もうすっかり暖かくなったシャワーで体を流す。
湯気が浴室内に立ち込め、僕から不格好な少年の姿を隠す。
『……はは』
なんだか鏡の中の自分にさえもおびえる僕が不格好でたまらなくなり、笑いを零す。
室内の湿度をまるで無視した乾いた笑いは浴室ではよく響き、そのままどこからともなく消えてゆく。
こうして体を洗っても、僕の心の汚れは取れないなぁ、なんて。
そんなことを考えてしまうのは、十中八九あの赤髪の末っ子のせいだろう。
あの子は、僕には眩しすぎる。
純粋無垢。穢れや人の裏なんかとは真反対に位置する少年。
人の愛に溢れ、甘え、のうのうと暮らしてきたのだろう。
八つ当たりとは分かっていながらも、彼に苛立ちを覚えてしまう。
『……僕は悲劇のヒロインかよ』
221人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「あんスタ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Knights を護る騎士でいたかった(プロフ) - 果凛さん» リクエストしたものを最後まで書いてくれてありがとう!凛ちゃんが引退しちゃうのは寂しいけど戻ってくるのを待ってます!また復活したらよろしくお願いします。完結おめでとうございました!!! (2017年11月30日 16時) (レス) id: 7e00625b4b (このIDを非表示/違反報告)
果凛(プロフ) - あっ、誤字って騎士ちゃんのコメントか! 勘違いした、ごめん (2017年11月27日 7時) (レス) id: dc990c7092 (このIDを非表示/違反報告)
果凛(プロフ) - Knights を護る騎士でいたかったさん» 全然大丈夫! むしろアイデアもらっちゃってごめんな汗 えっ、誤字ってた!? どこか教えてもらっていい? (2017年11月27日 7時) (レス) id: dc990c7092 (このIDを非表示/違反報告)
Knights を護る騎士でいたかった(プロフ) - 何処かしらだすっごい誤解字ってる… (2017年11月27日 0時) (レス) id: 7e00625b4b (このIDを非表示/違反報告)
Knights を護る騎士でいたかった(プロフ) - 完全に移すようなことはしないけど何処からしら似ちゃうかも… (2017年11月27日 0時) (レス) id: 7e00625b4b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:果凛 | 作成日時:2017年10月25日 16時