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第五十七話 ページ12

千「_________……それでも貴女が羨ましいです。」









ぽつりと千寿郎さんが呟く。私はお茶を飲むのを止め、彼を見た。






千「今の所、兄には継子がいないんです。…本来ならば私が継子なるべきだったんですが…」


「……」





千「でも私の日輪刀は色が変わらなかったんです。…私には無理だった。」









ひとつ話してしまえば、その言葉を押さえる事が出来ないのだろう。一つ、また一つと彼の口から言葉が零れてくる。









千「"人の能力は生まれた時から決まっている"…父の口癖でした。

今でも兄上から稽古をつけて貰う事はあります。…それでも…





剣士になるのは、諦めます。」









うつ向きがちにそう答える。私は湯飲みを置き、お茶菓子に手を伸ばした。









「…千寿郎さん。確かに才能とは生まれ持ったものなのかもしれません。


幾ら努力を積んだ所で、才能を持った人達とでは越えられない壁があるかもしれません。





それでも何かに必死で向かう事は愚かな事ではないです。自己満足でも、何かが出来れば幸福なのですから。」









「自分を見失ってはいけませんよ」と言い、お茶菓子を頬張った。すると千寿郎さんは恥ずかしそうに私を見つめると、再びうつ向いた。









「…すみません、少し出過ぎた真似を。」


千「いっ、いえ!そんな事ないです!その…寧ろ嬉しいです。そんな風に言われて…」









赤く染まった頬を自身の両手で包み、時折パタパタと手で風を煽る。そんな様子を見ながら、再びお菓子を食べた。









「(ふむ、美味しいです。)」



千「(恥ずかしい…)」

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こはね - 今日から俺はのも見てみたい、です! (2021年10月11日 9時) (レス) @page30 id: b4a9ddf842 (このIDを非表示/違反報告)
つるぎ - 更新ありがとうございます!何度読んでも面白い作品ですね!! (2019年11月17日 10時) (レス) id: 07b8e63db3 (このIDを非表示/違反報告)
グロリアス(プロフ) - つるぎさん» コメントありがとうございます!そういって貰えると嬉しいです!更新頑張ります! (2019年10月20日 20時) (レス) id: d08f55f347 (このIDを非表示/違反報告)
グロリアス(プロフ) - 鬼舞辻無惨さん» コメントありがとうございます!ってまさか無惨様…!?あ、ありがとうございます…! (2019年10月20日 20時) (レス) id: d08f55f347 (このIDを非表示/違反報告)
つるぎ - 最初から読ませてもらいました。とても面白かったです!!ナンバカのほうも宜しくお願いします!!楽しみにしてますね! (2019年10月20日 20時) (レス) id: 07b8e63db3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:グロリアス | 作成日時:2019年9月4日 20時

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