最終章 ページ43
ひとしきり泣いた後、俺は葵さんから離れた。
彼はまだ負傷中の身、ゆっくり寝て早く治して貰わないと。
もう一度寝るように促すと、「もう俺は元気なんだがなぁ」なんて。
『ダメだって。
抱き付くときに「痛い」なんて言われたら嫌だよ、俺』
「ん、痛いのはそっちのほうだろ。
俺はタチなんだから」
『そういう意味じゃない』
「それに、抱き締めて欲しいならそう言えばいいのに」
『は?』
訝し気に眉を顰めた瞬間、俺は葵さんに抱き寄せられて布団の中へ。
一人用の布団に男二人は流石に狭すぎる。
『ちょっと、葵さん』
「ん?」
『ん?じゃなくって』
「これだと温かくてよく寝れそうだ」
そう言うなり、「な?」と俺の顔を覗き込む。
こういう時、葵さんは優しい顔と声色を使うから、本当にズルい。
『な、なら、仕方ないな……』
もごもごと口元を動かして、誤魔化すように言ったけれど、きっと彼に対して誤魔化しなんて到底無理だろう。
自分自身の寝不足もあり、温かい布団の中でうとうとし始める。
ふと意識が途切れる寸前、「お休み、A」と葵さんの声がした。
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空弥(プロフ) - 木の実☆(このみ☆)さん» 椿お嬢様あああああ(便乗)彼女はホントはいい子ですはい……。ありがとうございます!三弾、更新いたしましたので、今後ともよろしくお願いします。 (2018年10月27日 20時) (レス) id: 87c9fca00c (このIDを非表示/違反報告)
空弥(プロフ) - アカツキ@鞠さん» ありがとん(ハァト)((某は三弾書いたでb (2018年10月27日 20時) (レス) id: 87c9fca00c (このIDを非表示/違反報告)
空弥(プロフ) - シェエラさん» ありがとうございます!ウルウルしてくださったんですか!?ほわあああ、嬉しい……。三弾、更新いたしましたので、今後ともよろしくお願いします。 (2018年10月27日 20時) (レス) id: 87c9fca00c (このIDを非表示/違反報告)
空弥(プロフ) - メロン大好き星人さん» ありがとうございます!私としても、書いてて面白い回でした。三弾、更新いたしましたので、今後ともよろしくお願いします。 (2018年10月27日 20時) (レス) id: 87c9fca00c (このIDを非表示/違反報告)
空弥(プロフ) - 桔梗さん» ありがとうございます!こんな作品を楽しみにしてくださるなんて……、嬉しい限りです。三弾、更新いたしましたので、今後ともよろしくお願いします。 (2018年10月27日 20時) (レス) id: 87c9fca00c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:空弥 x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/karaichi2422/
作成日時:2018年9月24日 15時