第三十二章 ページ35
極道*
「いいか」
住吉の家まで着いた後、俺は部下にこう言った。
「あくまで今回の任務はAの奪還だ。
被害は極力避けたい、終始不思議そうな顔してる奴は殺すな。
ただ、……武器を取った場合は迷わずやれ」
「はい」
忠義心の強い部下で助かる。
俺は細く息を吐き出して、それから住吉の門を潜った。
「お、柊様じゃないですか」
「……嗚呼」
中に入ると一人の男がこちらに駆けてきた。
どの役職かは服装で判断できないが、ここで働くものなのだろう。
何が嬉しいのか、それとも作戦の一つなのか、にこにこと笑顔を称えている。
俺もそれに苦笑で応えた。
「あっ、今日はいつものお着物じゃないんですね」
「そうだな」
俺はうんうん、と頷いて、眉を顰めて手を振った。
「実は俺も男漁りには飽きてしまってな、……あの男は捨てたんだ。
男より女の方が抱き心地もいい。
椿に言われて、あいつが家から居なくなってから気づいた。
……それで、久々に椿が恋しくなったんだが、幼馴染という間柄だ。
ラフな格好の方が喋りやすいというものだろ？」
「なるほど！」
男の弾ける様な笑顔と口振り。
「そうでしたら椿様もお喜びになられますよ」
「そうか？」
交わる視線。
こいつは
「椿お嬢様、貴方に振られてからずっと部屋に閉じこもっていらっしゃるので……」
「……それは悪いことをしたな」
「いえいえっ、貴方が来てくださっただけでも」
それとも――
「それにしても嬉しい限りです。
やっと目を覚ましてくださって。
まぁ、ボルドーに酔って帰ってこないっていう、主人も満足させられない男は貴方には相応しく無いですよねぇ」
「はは、そうだな。
なぁ。
……何であいつが酔ったのが、ボルドーだと分かった？」
「……え」
ひく、と引き攣った男の喉。
「……あいつは何処だ」
「……い、言ったら、殴りませんか」
「嗚呼」
俺が頷くと、男はぶるぶると小刻みに震えながら。
「じ、尋問所です、そこに、多分」
「そうか。
情報提供感謝する」
ホッとした様に息をつく男。
「行くぞ」
俺は部下を呼んで歩き出した。
男が「で、では」とおどおどした足取りで反対方向へと歩いていく。
かつん、かつん、足音が遠くなる――
腰のベルトからリボルバーを引き抜く。
弾を詰めたリボルバーを、そのまま後方に一弾発砲。
「……撃たないとは言ってない」
振り返って真っ赤な血を垂れ流す亡骸を見て、俺は皮肉気に口元を歪めた。
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空弥(プロフ) - 木の実☆（このみ☆）さん» 椿お嬢様あああああ(便乗)彼女はホントはいい子ですはい……。ありがとうございます！三弾、更新いたしましたので、今後ともよろしくお願いします。 (2018年10月27日 20時) (
レス) id: 87c9fca00c (このIDを非表示/違反報告)
空弥(プロフ) - アカツキ@鞠さん» ありがとん(ﾊｧﾄ)((某は三弾書いたでb (2018年10月27日 20時) (レス) id: 87c9fca00c (このIDを非表示/違反報告)
空弥(プロフ) - シェエラさん» ありがとうございます！ウルウルしてくださったんですか!？ほわあああ、嬉しい……。三弾、更新いたしましたので、今後ともよろしくお願いします。 (2018年10月27日 20時) (レス) id: 87c9fca00c (このIDを非表示/違反報告)
空弥(プロフ) - メロン大好き星人さん» ありがとうございます！私としても、書いてて面白い回でした。三弾、更新いたしましたので、今後ともよろしくお願いします。 (2018年10月27日 20時) (レス) id: 87c9fca00c (このIDを非表示/違反報告)
空弥(プロフ) - 桔梗さん» ありがとうございます！こんな作品を楽しみにしてくださるなんて……、嬉しい限りです。三弾、更新いたしましたので、今後ともよろしくお願いします。 (2018年10月27日 20時) (レス) id: 87c9fca00c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：空弥 x他1人 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/karaichi2422/
作成日時：2018年9月24日 15時
