第二十一章 ページ22
極道*
今日の俺は比較的上機嫌だった。
無論、会合では真面目な表情を保っているが、寝起きの表情は「気持ち悪い」と樹に評されるほどだ。
隣でAが気恥ずかしそうにしていたのは、「オトナの事情」という奴である。
今日の会合の内容も予算の打ち分けについてだったから、そう苦では無かった。
会合の終わり。
資料の束を片手に部屋を出ようとしたとき、とん、と背中を叩かれた。
ふと振り返って。
見えた、「椿の家紋」。
「……何のようだ」
低い声。
その主を思いきり睨みつける。
それは椿では無く、椿の父親だった。
「今の柊の実権はほぼ俺だ。
……椿に何か仕込まれたんなら、即急にお引き取り願いたい」
「そう気を荒立てないでください」
父親は困ったように笑みを作る。
俺も一息ついて、彼に向きなおった。
「……大きくなられましたね」
「そりゃあ、……もうそろそろ30になるしな」
「組の牽引も中々のようで。
嗚呼、この前の暗殺の件も惚れ惚れするような太刀筋でしたよ」
「……嗚呼、ありがとう」
正直のところ、俺の暗躍する仕事については極力触れて欲しくはない。
俺の、「人間としての感覚」が消え失せる瞬間だからだ。
その時は、本当に自分が「鬼」にでも化したような気がして、ふと我に返った瞬間に自分自身に恐れを抱く。
それが、この世界に麻痺してしまった男の末路だったとしても、それを受け入れてでも、俺の大切な人にこの姿を見られるのだけは嫌なんだ。
……何回、会合と偽って任務をこなしに行ったか。
「……それで？
用事がないなら帰りたいんだがな」
首を傾けてわざとらしく笑むと、「嗚呼そうだ」と。
「今度、うちでパーティをやろうと思っているんだ。
他の組の棟梁や、重鎮を呼んでね」
「……パーティ？」
「是非君の自慢の奥さんも呼んでくれ。
椿からの要望だ」
「……はぁ」
……「自慢の奥さん」ねぇ。
ねっとりと絡みつくような、言葉。
その言葉は腹の底に落ちずに。
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空弥(プロフ) - 木の実☆（このみ☆）さん» 椿お嬢様あああああ(便乗)彼女はホントはいい子ですはい……。ありがとうございます！三弾、更新いたしましたので、今後ともよろしくお願いします。 (2018年10月27日 20時) (
レス) id: 87c9fca00c (このIDを非表示/違反報告)
空弥(プロフ) - アカツキ@鞠さん» ありがとん(ﾊｧﾄ)((某は三弾書いたでb (2018年10月27日 20時) (レス) id: 87c9fca00c (このIDを非表示/違反報告)
空弥(プロフ) - シェエラさん» ありがとうございます！ウルウルしてくださったんですか!？ほわあああ、嬉しい……。三弾、更新いたしましたので、今後ともよろしくお願いします。 (2018年10月27日 20時) (レス) id: 87c9fca00c (このIDを非表示/違反報告)
空弥(プロフ) - メロン大好き星人さん» ありがとうございます！私としても、書いてて面白い回でした。三弾、更新いたしましたので、今後ともよろしくお願いします。 (2018年10月27日 20時) (レス) id: 87c9fca00c (このIDを非表示/違反報告)
空弥(プロフ) - 桔梗さん» ありがとうございます！こんな作品を楽しみにしてくださるなんて……、嬉しい限りです。三弾、更新いたしましたので、今後ともよろしくお願いします。 (2018年10月27日 20時) (レス) id: 87c9fca00c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：空弥 x他1人 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/karaichi2422/
作成日時：2018年9月24日 15時
