第十四章 ページ15
「……本当に大丈夫か」
『何が？』
葵さんとダブルベッドに潜る頃。
彼が心底心配する口調で、俺にこう聞いてきた。
「樹のことだ。
向こうの組の話ではまだ九歳になったばかりって話だったんだが……。
まさかあそこまで捻くれているとは」
『そりゃあ……、母親を殺されてるんだもん。
お母さんを殺した世界から、あの子は逃げることが出来ないんだ。
極道の手によって消されたんだから、引き取った極道のことを恨んでても可笑しくはないよね。
それが殺した張本人じゃ無くても、極道ってだけで嫌なイメージ付いちゃってることだってあるわけだし』
「俺のことか？」
『まぁ、そういうこと』
そう返すと、葵さんは「うーん」と唸った。
「難しいな……。
それにしても、お前は落ち着いてる。
引き取る前はあれだけ焦った表情してたのに、さっきは名前まで聞きだして」
『葵さんが短気なだけ。
……今日は何時にも増してだったけど』
「そりゃそうだろ」
葵さんがこっちに這ってきて、指を絡めてくる。
オレンジ色のライトの下、朱い紐同士が触れあった。
「あんな優しい顔、俺以外にするんだって思った」
『仕方ないでしょ、あの子も家族になったんだし』
「分かってんだけどなぁ。
……何か、折角お前が寄り添おうとしてるのに、あいつが振り向かないのに腹が立つ。
俺に向けられる筈の顔、あいつにも同じようにしてやってんのに」
『……全部嫉妬？』
「悪いか」
むすっとした顔。
「仕方がないな」と思いながら、葵さんを抱きしめた。
『子供相手にムキにならないの。
お父さんでしょ。
心配しなくても、俺が恋愛的に一番好きなのは葵さんだけだから、ほら』
額を合わせた後、ちらりと下から葵さんを見上げる。
いつも強気な葵さんが、こんなことで「俺を取られてしまう」と弱気になるのは、面白い反面嬉しくもある。
『頑張ろ』と言うと、彼は顔を俺の肩に押し付けるようにしてから、強く抱き締め返すのだった。
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空弥(プロフ) - 木の実☆（このみ☆）さん» 椿お嬢様あああああ(便乗)彼女はホントはいい子ですはい……。ありがとうございます！三弾、更新いたしましたので、今後ともよろしくお願いします。 (2018年10月27日 20時) (
レス) id: 87c9fca00c (このIDを非表示/違反報告)
空弥(プロフ) - アカツキ@鞠さん» ありがとん(ﾊｧﾄ)((某は三弾書いたでb (2018年10月27日 20時) (レス) id: 87c9fca00c (このIDを非表示/違反報告)
空弥(プロフ) - シェエラさん» ありがとうございます！ウルウルしてくださったんですか!？ほわあああ、嬉しい……。三弾、更新いたしましたので、今後ともよろしくお願いします。 (2018年10月27日 20時) (レス) id: 87c9fca00c (このIDを非表示/違反報告)
空弥(プロフ) - メロン大好き星人さん» ありがとうございます！私としても、書いてて面白い回でした。三弾、更新いたしましたので、今後ともよろしくお願いします。 (2018年10月27日 20時) (レス) id: 87c9fca00c (このIDを非表示/違反報告)
空弥(プロフ) - 桔梗さん» ありがとうございます！こんな作品を楽しみにしてくださるなんて……、嬉しい限りです。三弾、更新いたしましたので、今後ともよろしくお願いします。 (2018年10月27日 20時) (レス) id: 87c9fca00c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：空弥 x他1人 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/karaichi2422/
作成日時：2018年9月24日 15時
