リアリストの葛藤【２】 (ページ25)

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75 訪問（中級編）ページ25

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海青「いらっしゃい、迷わず来られた？」

「誰かが律儀にマップを送ってくれたので大丈夫でした」

海青「おや、なんて親切な人でしょう」

笑顔で玄関を開ける武知さんに嫌味たっぷりに放った言葉は、これまた素敵な笑顔でいなされてしまった。

本当人を信用しすぎだよ、私が悪用したらどうするんだ。しないけど。

玄関へ上がる時、自分のそれより一回り二回り大きな靴の隣に見慣れた自分の相棒が並んでいるのが、なんだかちょっと気恥ずかしかった。

「これお土産です」

海青「えっなんで、そんなんええのに」

ソファへ促されつつ座る前にお土産を渡すと、案の定遠慮された。

いやぁ流石に色々もらってばかりだし受け取って欲しい。
チョコとかチョコとか。

海青「ん？瓶詰？」

「ごはんのお供。賞味期限長いから減量期じゃない時にどうぞ」

海青「あらあらお気遣いいただいて…今減量期じゃないので明日食べます」

「なんやねん、私の気づかい返せや」

こちとらマンネリ化しだした父の日のプレゼント並に迷って店舗を徘徊してきたというのに。

結局失せ物以外思いつかなくて某和風ギフトショップにて購入したのは瓶詰めのおかず。

これなら日持ちするな、とか考えてたのに別に減量中じゃなかったときた。そんならもうちょい選択肢あったぞ。

海青「ごめんごめん、こんなんくれると思わへんかったから」

ありがとうと笑ってキッチンへ仕舞いに行く彼を目で追うと、急に方向転換して戻ってきた。

海青「今なんやねんって言った？」

「あ、エセ関西弁への校閲？」

海青「ちゃうよ、ちょっと砕けてきて嬉しいな～って」

関西人特有の方言に厳しいアレかと思ったけど違った。

てか嬉しいって何、そんなにこにこ笑顔向けないでくれ心臓に悪いから。

これも多分肉好きなのとか調べてくれたんでしょ？嬉しい。と小瓶を掲げる武知さん。

今日どうしたんだろう、何かいつもと雰囲気が違う。何ていうか、柔らかい？ふわふわしてる。

家だとこんなんなんだろうか。

「…そっすか」

海青「なぁんでまた敬語に戻んの」

揚げ足取るように指摘しつつ、ふにゃっと笑う彼の顔を見ていられなくなってスマホを手に取ったところで元凶が戻ってきた。

その手には今日のお目当ての品があって、反射的に居住まいを正した。

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関西弁の校閲ネタは関西の友人が厳しかったので入れましたが、
実際みなさん厳しいのかは自信ない。