リアリストの葛藤【２】 (ページ16)

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66 尋問ページ16

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また面白がってにやにやしてるのだろうと思ったが、表情を見るに先程までとは違いからかい目的ではなさそう。

牽制目的か、ただの事実確認か、真意は分からないけど。

社長に同様のことを聞かれるのと、武知さんと同じグループのメンバーに聞かれるのではわけが違う。迂闊な返答は出来ない。

「考えた事無いです」

陣「そういう対象にはならない？」

「…しないようにしてる、が正しいですかね。自分で言うのもなんですけど私ちょろいし男前に優しくされたら好きになる自信あるんで、そういう目で見ないようにしてます」

問い詰めるような口調に半端な回答では納得してくれなさそうな気配を察知し、迷った末正直に自分の考えを告げた。

あくまでまだ恋愛は未遂だ、という主張は忘れずに。

それでいてマジな雰囲気を出さないように砕けた笑顔も添えた。

そんな私の努力をよそに彼の追及は続く。

陣「それって、俺らに気をつかってる？」

「あの…聞いてどうするんですか、これ」

陣「こういうの話せる相談相手いないんやないかなーと思って」

「だからって同じメンバーの人には言いませんよ」

陣「ははは、それもう答えやんか」

「明言はしてないんで」

涙を滲ませるレベルで笑いながらこちらを見る彼に段々腹が立ってきた。こっちの苦労も知らないで…

もう早く武知さん帰ってきてくれないかな。なんか面倒になってきた。

居心地悪く鞄をまさぐっていると、助け船が来た。

陸「あー、陣君なにいじめてんの」

陣「いじめてへんわ！！なぁ！？」

タオル片手にやってきたのは陸さん。彼もまぁお節介の気はあるけどリーダーさんよりはいい。

陸さんの追及を逃れるような彼の目線に黙ることしかできなかった。

そんなことないですよ～というにはあまりに構われ過ぎてしまったから。
　

陸「ほらー！」

陣「え！？ご、ごめんなさい！！」

「や…まぁ、疑われるような関わり方してるのは事実なんで…」

そう言うと、2人はお互いに顔を見合わせてしまった。

というよりはなんか、陸さんは眉間にしわが寄ってるしリーダーさんはキョドキョドしてる。

なんだこれ、どういう構図だ。

陸「ちょっと陣君どんな聞き方したの」

陣「いやそんな変な聞き方してへんて」

そんな訳ないでしょ、何言ったのとか違う違うとか言い合いだす2人。なんだ、何の話だ。

若干居心地の悪さを感じつつも傍観していると、陸さんから声がかかった。

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