第三十七話 ページ40
そして木曜日。
「「おっ邪魔っしま〜す!!」」
「…っ?!いやいや、まてまて?!」
朝、突然玄関から凄い声が聞こえて、飛び起きると、そこには昨日キヨが言った通り、母と父がいた。
そういや、いつ来るかとか聞いてなかったな…じゃなくて!!
なんで部屋まで靴を履いてくる?!
二人を引き止め、一旦玄関に返す。
本当になんなんだ…
「ごめんなさい、そうね、靴は玄関で脱ぐものよね」
「母さん、やめてくれよ、そんな冗談は。まぁ、父さんも忘れてたけどな!」
はっはっは、と笑う父にツッコみたくなるのを押さえ込む。
要するに、家の両親は外国に旅行してきた帰りという訳だ。
それにしても、わざとかと言うほど誤魔化すのが下手だな、相変わらず。
「で、なんの用」
「なによ〜A居るじゃないの〜。キヨくんから、Aが居ないーって聞いて来たのに〜。心配して損した〜っ」
殴るぞ、いくら親でも。
そしてキヨと母さんはどういう関係なの??
なんでそこ繋がってんの??
「キヨくんは、母さんが駅でばったり会ったのよ。運命だと思ったわ、イケメンなんだもの、即採用!」
「本当に半誘拐じゃねぇか…」
てか、なんで心の声が聞こえてんだ…と言うと、愛の力よ、と返ってきた。溜息しか出ない。
「で、結婚式はいつなの?」
「は?いや、結婚も何も、まだ相手が出来てないから、」
「何言ってるの、キヨくんが居るじゃない」
は?
「もーうっ、キヨくんと仲良くなって貰うために、おんなじアパートにして、合鍵も彼に渡したのに、何寝ぼけたこといってんのよっ」
「……もうなんか一人にしてくれ」
「A、いい?母さんたちは、東京でお仕事させるために今まで放っておいたわけじゃないの。キヨくんという運命の相手と結ばれるために貴方はここに住んでいるのよ?」
おい私の意見は無視か。あんなうるさいやつ絶対嫌だし、アイツの意見は聞いたのか。
結婚とか考えたこともないし、色々と段階を飛ばしすぎじゃないか。
「いやいや、私の意見も聞いて?母さん、私はここで色んな人達に出会って、やっと仕事を見つけたんだよ?だから、」
「A、父さんや母さんはお前の将来を思って言ってるんだぞ!仕事なんて…父さんはっ…父さんは許さん!!」
なんか号泣しだしたんだけど。怖いんだけど。
その後も、二人は一つも私の言う事を聞かず、キヨの家を訪ねに出かけたのだった。
中々に厄介なことになってきた…
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お茶丸。(プロフ) - しい。さん» ご指摘ありがとうございます!すみません、不覚でした…ご指摘のあった部分だけ修正しておきましたので、確認おねがいしますm(_ _)m (2018年10月24日 19時) (レス) id: 6dbb0f543c (このIDを非表示/違反報告)
しい。 - コメント失礼します。指摘なんですが、天月さん公式マーク入ってないのでそこは注意して下さい、ふと気になりました。 (2018年10月23日 22時) (レス) id: 3e3e1564a7 (このIDを非表示/違反報告)
お茶丸。(プロフ) - スイさん» コメントありがとうございます!!なかなか厄介になってきますので頑張って着いてきて貰いたいです(;´∀`)そんな風に言って貰えると嬉しいです、頑張ります。゚(゚´▽`゚)゚。 (2017年12月10日 12時) (レス) id: 9a94446a1d (このIDを非表示/違反報告)
スイ(プロフ) - すごく面白いです!キヨさんと夢主ちゃんの親御さんにはどんな関係が…(・Д・) 続き楽しみです!頑張って下さい! (2017年12月9日 13時) (レス) id: 77c9f3f671 (このIDを非表示/違反報告)
お茶丸。(プロフ) - Limさん» コメントありがとうございます!!そうなんですよね。私自身、関西地方の者なのですが、志麻さんとセンラさんの口調の違いが難しくてですね…御指摘ありがとうございます、その事も念頭に置きながら、今後更新していこうと思います(´・ω・`) (2017年12月4日 7時) (レス) id: 1dccf2b581 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:お茶丸。 | 作成日時:2017年9月3日 21時