addiction (ページ7)

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ソファーに寝転がりながらスナック菓子を頬張る海人が、何かを思い出したように呟いた。

「そういえばさ。今度、お疲れ様パーティーやるんだ」
「お疲れ様パーティー？」

海人曰く。映画化され話題になった漫画が今月で最終回を迎えるらしく、その連載終了を記念して週末に都内のバーで関係者を数人集めて飲み会を行うらしい。

「Aもおいでよ」
「・・・・・・何で？」

いくら海人と幼なじみといっても所詮は幼なじみであって。
今まで彼の仕事に対して何か協力をする事もなかったし、私が呼ばれる理由が分からなかった。
それに関係者でもない私が飲み会にだけ参加するというのもおかしな話だな、と思う。

「紹介したい人が居るんだよね」

ああ。そうか。
その一言で充分だった。
紹介したい相手が居るのだと告げる海人の表情は、これまでに見た事がないくらいに優しいものだった。
自分の幼なじみに、大切な人が居るという事がすごく嬉しかった。

「私が行ってもいいの？」

一抹の不安を滲ませながら問い掛けると、海人はきょとんという効果音が聞こえそうな程に目を見開いた。
それから、またふわりと微笑んだ。

「もちろん。Aに来てほしい」

海人はいつも大きな向日葵のように優しく包み込んでくれる。それは私に限らず、沢山のひとを。
この笑顔に何度救われただろう。
きっと海人は知らない。

「・・・・・・分かった。楽しみにしてる」

Aと絶対仲良くなれると思うんだ、と嬉しそうに話しながら再びスナック菓子を口に放り込む海人の姿が眩しかった。

幸せになって欲しい。
心からそう感じた。

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