安住の地を求め

手荒な朝 ページ36

ペチペチ


・・・ん？


ペチペチペチ


ここに居る筈がない、筈なんだけど・・


ペチペチペチペチ←超高速
身に覚えがあり過ぎる小さな手に、笑いそうになってしまうのを堪える


「起きてー、領君起きてー」


・・・やっぱり、居るんだ

耳元で聞こえた、さとしの声

さて、ここは怒るべきか、どうするか

少し思案していると
頰に当ててた小さな手はなくなり
今度は肩をよじ登ってく感覚と
胸の上に微かな重みが掛かる


「・・・？」


何もしてこない相手に、薄っすら目を開けて見ると


寝てるし(笑)


起こしに来たんじゃないの？


胸の上で丸くなって眠る姿が、何とも愛らしいが・・、このまま俺まで二度寝すると、絶対に圧迫死させてしまう


「お早う、さとし」


逆に起こす羽目に陥る事に苦笑を漏らしつつ

パチリと開いた目が嬉しそうに微笑む


「おはよ、領君♪」


パタパタとうつ伏せの状態で足を交互に揺らしながらの挨拶


「どこに穴を開けたの？」


「え！？」


そこは驚くんだ？(笑)


さとしが真っ先に見つめてしまった方へ、首を動かす


・・・穴は無い、けど
明らかに不自然に、本が一冊立て掛けられている


侵入した場所は隠そうととするのに、侵入した事は隠そうともしない矛盾


「・・戸がね、開いてたの」


えらいね
ちゃんと言い訳考えてたんだ
でも、目が泳いでるよ

下手な口笛らしきものも吹き出すし
音、出てないよ？さとし


「・・そっか。これからはちゃんとドアを閉めて寝ないとな」


「！？うん！！///」


パァーッ///と、自分の嘘が信じて貰えた事に喜ぶさとし


まー、いいか(笑)


「今日はお外〜♪お外〜♪」


あー、それでか・・忘れてた(笑)


「そんなに楽しみだったの？」


足をパタパタしながら即興で歌うさとしの頰に、そっと触れると、擽ったそうに笑いながらも
猫みたいにすりすり寄ってくる


「お薬の葉っぱ探したいの。しょう君そろそろ風邪引く季節だから、ちゃんと準備しとかないと」



・・・結構ちゃんとした理由があった

素顔に動揺→←それから

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