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Precious Lover … 4 ページ5

「そうなんだ、太輔…前よか忙しくなるんだね」
「うん…」

仕事終わり…太輔は接待で遅くなるとの連絡があってオレは久しぶりに裕太とご飯を食べていた

裕太は順調に内科医としてのキャリアを積み、今は翔陽大学附属病院で勤務していた

「でも太輔、相変わらず凄いよね、本社の会長から直々にオファーとかさ、同じ歳なのになんか立ってるステージの差をめっちゃ感じるわ」

横尾さんの店で、魚の煮付けを箸でつつきながら裕太が言ってくる

「そうだな…」

それはホントにそう…

勿論、愛してる想いに変わりはないけど、太輔とオレの間には目に見えない距離が生まれている…この先もオレの目の前にあるのは…太輔の背中…


「昔から一歩も二歩も先行ってたよね…同年代なんか比べ物にならないくらいの心の広さと気持ちの深さを持ってた…憧れてたなぁオレ…」

思いを馳せる裕太の表情を見ながら、オレはふと湧き上がる気持ちを言葉にした


「…オレでいいのかな…」
「え?」
「…オレみたいなフツーのヤツが太輔の家族で、いいのかな…」

「ヒロ…?」

「太輔はどんな状況でも確実にスキルとステータスを手に入れることが出来るヤツだ、アメリカと日本で離れていた時はそれほど感じてなかったんだけど、一緒に暮らすようになって太輔の凄さを目の当たりにするとさ…なんか…落ち込むというか、凹むんだ…」

仕事の内容も違う、生まれ持った潜在能力が違うのも分かってるけど…ありとあらゆる事が、オレと太輔の差をまざまざと見せつけてくる

「ヒロはさ、そんな凄い人に一途に愛されてることが嬉しくないの?」

キョトン…て表情で聞いてくる裕太


「…それは勿論嬉しいけど…、今のオレがこの先も愛してもらえるオレなのかはわかんないから…」

「太輔は、仕事が出来るとか能力が高いとか、そんな事で誰かを好きになる人じゃないよ、そんなのひろが一番よく知ってるんじゃないの?」

何でそんなこと?って、裕太の表情が伝えてくる、そうなんだ…太輔のコトを知り抜いてる人なら必ずそう言うのはわかってる

それは、紛れもない事実だから…


「…ん…そうだよね…、ゴメンな、変なこと言って…、今言ったこと忘れて、あ!なんか料理追加する?」

メニューを広げて裕太に見せると、ニコって可愛い顔して目を落とす


「うーん、迷うなぁ…そだ!今度トシくん連れてくるから、トシくんの好きそうなモン頼んでみようかなぁ…」

笑ってる裕太は、何一つ迷いの無い愛を持っていた

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GAYASAKURA(プロフ) - seaぺこさん» 続き覗いてくださればと思います!泣かせてゴメンなさい!コメ大感謝ですー! (2018年6月14日 23時) (レス) id: 3b1ef006c1 (このIDを非表示/違反報告)
GAYASAKURA(プロフ) - seaぺこさん» こんばんは!コメありがとうございます!再読ありがとうございます、少しずつですが過去エピを入れております、あのシーンかぁと思っていただければ嬉しいです!ザワザワ展開ホントにゴメンなさいー泣泣、二人の絆を感じて下さるようにup頑張りますので、宜しければ (2018年6月14日 23時) (レス) id: 3b1ef006c1 (このIDを非表示/違反報告)
seaぺこ(プロフ) - こんにちは、何度も失礼します…またもやシリーズ初回から読み返していました泣 これ以上の試練…もし限られた時間なら24時間付いて居たいのに…嫁の事は自分の事より大切で心配で仕方ないのに、気持ちを隠して安心を与えようと振る舞う太輔旦那に涙です(TT) (2018年6月14日 16時) (レス) id: 5a95b02aa0 (このIDを非表示/違反報告)
GAYASAKURA(プロフ) - ふじみつさん» おります、覚えておられたら懐かしく思って頂けるのではないかと思います、なかなかのシリアス編となりそうですが、ラストは《藤北ぁぁぁ! 》で終われたらいいなぁと考えております、宜しければ続き覗いてくださればと思います!コメ大感謝です! (2018年6月13日 8時) (レス) id: 3b1ef006c1 (このIDを非表示/違反報告)
GAYASAKURA(プロフ) - ふじみつさん» おはようございます!コメありがとうございます!はい、おそらく殆どの読み手様の予想がドンピシャだったのではないかと思いますwここからかなりの辛展開となります、申し訳ございませんー!今回は《記憶》がキーワードなので、過去エピ遡りながらupしようかなと思って (2018年6月13日 8時) (レス) id: 3b1ef006c1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:GAYASAKURA | 作成日時:2018年5月20日 20時

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