I wish to be your only one … L.O.V.E

Precious Lover … ３ ページ4

その言葉通り、年明けからの太輔の忙しさはオレの想像以上だった

月の半分はアメリカにいる日も増えてきていた

体への負担だけが心配だったけど、太輔の仕事への情熱は前よりも増していて、周囲からの期待に応えることに、充分な手応えを感じているようだった

相変わらずオフィシャルをウチに持ち込むことは無く、長期出張から戻るとフライトの疲れも見せず、迎えに出たオレを屈託のない笑顔で抱き締めてくれる

「太輔、疲れてないか？」
「大丈夫だよ、やっぱり本社はいい刺激になるよ、行く度に新しい出会いがあるし」
「そか、なら何よりだ、…太輔ギルと会ったんだろ？元気にしてたか？」

出張の合間に来た太輔からの定期連絡には、ギルと会食したと写メ付きで送られてきた

「おう、相変わらず仕事では悟りきった顔してるけど、プライベートはモロ父親の顔してるな、ｸｽ、ミツルとヒカルの写メめちゃくちゃ見せられた」
「そうなんだ、ミツルもヒカルも大きくなってるんだろうな、子どもの成長って早いから」
「だな…また一緒に会いに行こう、あの子たちはオレらの家族も同然だから」
「うん、そうだな、会えるのが楽しみだ」

太輔のケータイに入ってる写メには、前会った時より少しだけ成長した二人が映っていた

「可愛いよな…」
「うん…ホントに」

この二人の成長は、オレと太輔が名実ともに家族として共に歩んできた時間とリンクする、この先ヒカルとミツルが幸せな時間を過ごすことが、オレ達にそのまま繋がってる気がした


「お前、まだ忙しくなるのか？」

横尾さんに教えて貰った鍋の支度をしながら聞くと、太輔は少し考えながら頷いた

「宏光、少し相談あるんだ…」
「相談？」

「本社が契約を急いでる案件があって、出来ればオレに任せたいって言ってきた…受ければ準備整い次第アメリカに戻ることになる、そうなればしばらくの間向こうに滞在することになると思う」

若干の躊躇いを見せながら、太輔はオレの心の動きを探るような表情を浮かべた

「…アメリカに…？」
「ああ…」

太輔の表情には、押しつけがましい所は何も無い…純粋にオレの意思を確認しようとしてるのが伝わってくる、太輔の性格とビジネスマンとして携わってきた経緯、そして今後を考えるなら、それに対してオレが言うべき言葉は一つだけ



「いいんじゃないか、クロフォード会長を始め本社はお前の力を欲してるんだろ、納得いくまでやってくればいい、お前ならきっとやり遂げる」

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