Precious Lover … ２０ ページ21
「そうだな…お前が褒められるのは、自分が褒められるより嬉しいものだね……独立の話はよく考えてからでいい」
「はい、ありがとうございます」
一通りの話は終わったようで、部屋に戻ろうかと身じろぎした時「太輔くんは元気なのか？」と聞かれた
「ええ、向こうで精力的に動いているようです、体調だけが心配なんですが…」
誰より責任感の強い太輔、アイツは仕事になると形振り構わないところがある、傍にいるなら色々サポートできることもあるけど、アメリカと日本…、距離は否めない
「そうか、だが、それはお前も同じだ…宏光、時々しんどそうな顔をしているようだが、体調はどうなんだ？何もかも自分で抱え込み過ぎてパンクすることのないようにしなさい」
心配そうな表情は、今まで何度も見せてくれる父親の顔…子どもの時もこんな父さんの表情を見たことがあった
「体調は万全です、ただ少し納期が詰んで忙しかったので、そのせいだと思います、ご心配おかけして申し訳ありません」
…ウソとホントを重ねて返事をする…
自分の中の不安から目を逸らすように、オレはそう答え、口角を上げ笑ってみせた
「…心配くらいさせてくれ、これでもお前の父親だ…、酷い父親だと思わせたこともあるだろうがな…」
父さんの胸に浮かんでいる想いは、きっとオレが思うより深く苦しい…そして今までも、この先も一日もその想いから逃れることはないんだろう
「父さん、もうそんな風に思わないでよ、オレは今心から幸せだと思ってる…父さんのおかげで好きな仕事が出来て、大切な人とこの先も一緒に生きていくことができる、…オレは自分の生きていた時間の全てに感謝してるよ」
何千何万の時間…、その間の出来事全てに、幸せになる為の意味があった、例え涙が枯れるほど泣いた時間ですら、今は懐かしく愛おしい
なぜなら、いつもそこにはオレを導く太輔という暖かく優しい光があったから…
「そうだな、太輔くんがいれば宏光はいつも笑っていられるんだった、…私も太輔くんには感謝しているよ、いつもお前を大切にしてくれて見ていても微笑ましい」
フフと何か思い出したように小さく笑う父さんに、オレは少し気恥ずかしくなる
「もういいよ、父さん…」
「あ、悪かったね、…では戻りなさい」
「はい、失礼します」
立ち上がり外へ出る…
階段の窓から見える空は、澄んだスカイブルーだ、窓越しに差し込む陽射しの温もりが、気持ちいい
太輔…、なんかさ、お前みたいだな…
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GAYASAKURA(プロフ) - seaぺこさん» 続き覗いてくださればと思います！泣かせてゴメンなさい！コメ大感謝ですー！ (2018年6月14日 23時) (
レス) id: 3b1ef006c1 (このIDを非表示/違反報告)
GAYASAKURA(プロフ) - seaぺこさん» こんばんは！コメありがとうございます！再読ありがとうございます、少しずつですが過去エピを入れております、あのシーンかぁと思っていただければ嬉しいです！ザワザワ展開ホントにゴメンなさいー泣泣、二人の絆を感じて下さるようにup頑張りますので、宜しければ (2018年6月14日 23時) (レス) id: 3b1ef006c1 (このIDを非表示/違反報告)
seaぺこ(プロフ) - こんにちは、何度も失礼します…またもやシリーズ初回から読み返していました泣 これ以上の試練…もし限られた時間なら24時間付いて居たいのに…嫁の事は自分の事より大切で心配で仕方ないのに、気持ちを隠して安心を与えようと振る舞う太輔旦那に涙です(TT) (2018年6月14日 16時) (レス) id: 5a95b02aa0 (このIDを非表示/違反報告)
GAYASAKURA(プロフ) - ふじみつさん» おります、覚えておられたら懐かしく思って頂けるのではないかと思います、なかなかのシリアス編となりそうですが、ラストは《藤北ぁぁぁ！ 》で終われたらいいなぁと考えております、宜しければ続き覗いてくださればと思います！コメ大感謝です！ (2018年6月13日 8時) (レス) id: 3b1ef006c1 (このIDを非表示/違反報告)
GAYASAKURA(プロフ) - ふじみつさん» おはようございます！コメありがとうございます！はい、おそらく殆どの読み手様の予想がドンピシャだったのではないかと思いますｗここからかなりの辛展開となります、申し訳ございませんー！今回は《記憶》がキーワードなので、過去エピ遡りながらupしようかなと思って (2018年6月13日 8時) (レス) id: 3b1ef006c1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：GAYASAKURA
| 作成日時：2018年5月20日 20時
