I wish to be your only one … L.O.V.E

Precious Lover … １３ ページ14

太輔の長期出張の準備で、それからのオレは超忙しくなった

それは仕事が…と言うより、アメリカで仕事する太輔に、なるべく不自由の無いようにさせる為の準備だった

アメリカって寒いんだっけ…
普段着、下着、靴下…えっとそれから…
メモを片手に昼休みに近くの百貨店に行って細々買い揃えた

ビジネススーツと小物を揃えていくだけでも結構時間がかかるもので、毎日があっという間に過ぎていく

「足りなかったら向こうで揃えるよ、心配しなくてもへーきへーき」
「でもお前セレブな人達とも会うんだろ？ちゃんとカラダに合ったスーツのがいいじゃん」

実はオレは太輔のスーツ姿フェチで、なので基本太輔のスーツは全てジャストサイズでオーダーしてる、コレは太輔よりオレのコダワリ！！

よくわかんないけど、アメリカンサイズだと太輔には合わないかも知んないし、そのせいで太輔のコト軽く見られたりしたら、オレの立場がない！

「太輔タキシードは？アッチはパーティとかあんだろ？」
「そりゃあるかもだけど…」
「んじゃ、どれ持ってく？」

クローゼットに吊るしてあるタキシード、ふと目に止まるのは、あの教会で太輔が着ていた物だ…

懐かしいな…流石に今の年齢で着るには少し不都合もあるから候補にはならないけど、オレには大切な大切な想い出の一着だった

手に取って眺めてると、太輔がクローゼットに入ってきた

「何見てんの？」
「ん、コレ懐かしいなぁ…て」
「あー結婚式のか…確かに」

そう言って、太輔もタキシードに手を添える

「色々あったよな、あの日から…」
「うん…」

それでも今こうして二人で生きていく道を作ってくれた太輔、仲間にサインしてもらった《婚姻届》は、法律上役所には出せないけど、オレの大切な宝物だった

「もう離れてた時間より一緒にいた時間のが長くなったんだよな」

ポツリと太輔が呟いた

「そだな」
「…幸せな時間てさ、あっという間に過ぎてくよな、嬉しいのに勿体ない気がする」
「勿体ない？」
「そう、もっともっと宏光と一緒にいたいのに一年があっという間だ、仕事も勿論大切だけど、振り返ると、二人の想い出をもっと作れば良かったかなーとか思う、オレも忙し過ぎてどこにも連れてってやれてないし」

ハア…とため息つく太輔…そんな太輔の心遣いが有難く思う…でも…



「オレはさ、オレの毎日の中に太輔がいてくれたコトが一番の想い出だよ…オレの記憶の中全部に太輔がいてくれる…それが最高の幸せなんだ」

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