I wish to be your only one … L.O.V.E

Precious Lover … １１ ページ12

「太輔ゴメンな、待たせた」
「いいよ、ひろ今日早く帰れたんだ」
「うん、たまにはな！さてさてじゃ買い出し付き合えよなー」
「おっけー、なんかこういうの久しぶりだな」

満面の笑みってこういうのかな…ってくらい太輔か嬉しそうに笑うから、オレまでなんかホワッとしてしまう、確かにここんトコ2人で何かするってあんま無かった気がする

アメリカ出張は、わりと急に決まるみたいで《 明日から行ってくるわ》とかもあったから、一人分のメシの支度なんて買い出して言うよりは、その日の晩ごはんを何にするかって感じ

冷蔵庫は前に比べて空きスペースが多くなっていた

「今日は何買うの？」

カートにカゴを置いて、太輔がソレ押しながら聞いてくる、役割分担は家族になってから変わらない

「そだな、WATAーレシピ検索で決めたのがコレだから、えっと…」ってケータイ見ながらそれぞれの食材のスペースに向かっていく

「ひろ…」って呼ばれて振り向くと、太輔がフワッて笑いながら、オレの手を取り恋人繋ぎするとスーツのポッケに入れた

「何が要るか言ってよ、オレが入れてく！」
いたずらっぽく言いながら、オレにウインクしてくる、確かにこの状態だとオレは食材触れないｗ

相変わらずオレは太輔が仕掛けてくる小技にキュンとしてしまう…

「えーと…じゃ舞茸ともやし…」
「おっけー！」

それから次は…ってスーパーを巡っていく…
ポケットの中の手は、時々キュって握られたり指先で手の平擽られたり…フロアは冷気が漂ってるけど、繋いだ手の温もりが、ジンワリ心を温めてくれた

「これで全部？」
「うん」
「じゃレジ行こ！あ、オレ明日の朝これ食べたい、明太子フランスパン！ねぇ買ってもいい？」

このスーパーには、近くのパン屋が品物を卸してる、雑誌にも載ってる小洒落たお店

ていうか、無邪気な顔してオネダリとか子供かよってｗｗ

「いいよ、じゃオレはクロワッサンにしよ！」
「あ、オレもそれ食べる！」
「なら好きなの買えよ」

ほくそ笑みながらトレイに好きなパンを載っけていく太輔…手は離れたけど、オレはそのままポッケに片手入れたままついて行く、何となく…このままにしときたかったから


ふと目が合った太輔が、そっと耳元に顔を寄せ
「今日は近くにいてくれて嬉しい」と小声で囁いてくれた

そのまま一瞬だけ、頬を掠めるように柔らかい感触が来る

「バカ…っおま！」
「え、オレなんもしてないよ！」


って素っ惚けるからタチ悪いったら！

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