I wish to be your only one … L.O.V.E

Precious Lover … １ ページ2

「ひろ、１０回目の結婚記念日、オレの傍にいてくれてありがとな…」
「ｸｽ…何言ってんだ…、でも振り返って見ると、すげぇ早かったよな…」

愛し合った後の、心地いい気怠さを感じながらオレは宏光を胸に抱き寄せ、そっと額に唇を当てた

「愛してる…」
その想いを伝える為に額を擦り寄せる…嬉しそうに微笑む宏光が、応えるように鼻先同士を当て、そのまま唇を重ねてくれた



その日…オレと宏光は、総支配人の松田さんの配慮で、別離からの再会を果たしたホテルの同じ部屋で、１０回目の結婚記念日を過ごしていた

《私も今年で引退でございます…お二人との出逢は、私のホテルマンとしての人生の中で最高の喜びでございました、私はホテルからは退きますが、当ホテルがこれからもお二人の想い出作りのお手伝いが出来るなら、何よりの幸せでございます》

その微笑みは、松田さんとの最初の記憶と同じ、変わらない誠実さと優しさが滲み出ていた

ホテル側からのプレゼントは、オレ達の生まれた年のビンテージワイン…オレ達の好みもよく分かってくれてて、ルームサービスに華を添えてくれていた

余りアルコールが得意じゃない宏光…、少し飲み過ぎたのかほんのり頬を上気させ、いつもの可愛らしさの中に、艷めきを見せてくれた

淡いルームライトの中…丸く綺麗な瞳に光が反射され、オレに向けられる幸せそうな笑みが、この人に恋を覚えた日から変わらずオレの胸をときめかせてくれた


離れていく唇が名残惜しくて、ソレを追いかけるようにして、またキスを交わす…

「ひろ、もっとキスしよ…こんなんじゃ足りない…」
「バカ…も恥ずかしい、だろ……ん…ｺﾗ…っ」

ハニカミ笑顔に煽られて、オレの宏光欲がまた湧き上がる

キリがない…ホントにその一言に尽きるオレの宏光への《愛と欲》


掌を合わせ指を絡ませ…甘く赤い果実を貪るように食んでいく

「宏光…、ひろ…大好きだ…ずっとオレを愛して…」

想いを刻むように濃く赤いシルシを幾つも付けていく…甘く微かに漏れる吐息が、宏光の今を伝えてくる、そしてオレは…限界を強請る宏光が見たくて堪らなくなる


「もっと欲しい顔して…オレを求めて堪んなくさせて…好きだよ…」

そう言うと、宏光の両腕が首に巻きついてくる
、耳元に寄せられる唇が、最高に嬉しい言葉を紡いでくれる


「愛してる太輔…、幸せ過ぎて、オレ怖いくらいだ…、神様にも妬まれそう」



「ﾌﾌ、まさか…神様はきっとオレ達を祝福してくれるよ」

Precious Lover … ２→←Gayasakuraです。。。

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す