RHAPSODY:29 ページ43
左手のキズ…、ソレは太輔がオレを黒崎から庇った時に付いたキズだ…
向けられたカッターナイフに、太輔は怯むこともせずオレを守ってくれた…
「…雅喜さんに、そのキズが…あるの?」
頷く横尾さんの姿に、オレは喉の奥がギュッと狭くなった気がして、苦しさの余り手で口を覆った…
「この前偶然ココに来た…余りに似すぎてて、まさかと思ってな、釣り銭渡す時に確認した、左手…掌にまだ残ってる…オマエは見たことないか?」
聞かされる一つ一つが信じられなくて、首を振ることしか出来ない…
ホントに、…あの人が、オレの…太輔……ッ…
もうこの世界で会うことは出来ないと…諦めた、オレだけの…
「横尾さん…オレ…でも、」
突きつけられた現実に、想いがついて行かない
どうすればいい…どうやって確かめる…?
《僕は如月雅喜です》
オレの目を見てキッパリとそう言ったのが、ホントに《太輔》なら…オレはナニをどう聞けばいいんだ…?
ぐるぐるとループする思考…纏まらない感情…
椅子に座ったまま一歩も踏み出せないオレを、横尾さんがカウンターから出てきて、腕を取り立ち上がらせた
「ミツ、どういう経緯でアイツが雅喜とかいうヤツになってるのか、オレにはわからない…でも、オマエには知る権利があるだろ?…二人でいたら、時間…戻せるんじゃないのか?」
戻せる…
あの頃に戻れる……
ただひたすらお互いを想いあってた、あの時間を…また取り戻せるのか…?
「ちゃんと顔見て話して来い…もしホントにアイツが太輔なら、必ずオマエ達は戻れる」
「…行っても、いいの…オレ…」
「オマエが行かなくて誰が行くんだよ」
そう言うと、横尾さんは笑ってくれた…
前に進むチカラをくれるその笑顔に、胸の中が熱くなった…
「なんかあったらココに帰ってこい…いいな!」
そう言うと、ポン…てオレのアタマに手を乗せて
カラダの向きをドアに向けた
「横尾さん…」
「ミツ、ホントにソレが欲しいなら、思いっ切り手を伸ばせ!指先でもいいからソレを掴め、そして二度と離すな!」
「……ッ!」
そのままドアを飛び出し、オレは大切な人を迎えに走り出した…
もう、理由なんかなんでもいい…
会いたいんだ…
「…やっと動き出したか、フフ…まさに破滅に向かってまっしぐら…ってトコかな…、さて、もう一人にも動いてもらおうかな…」
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GAYASAKURA(プロフ) - こっちゃんさん» と思っております!予定通り移行になりました!宜しければ続き覗いてみて下さればと思います!コメ大感謝です! (2017年3月11日 16時) (レス) id: 0cce3636ea (このIDを非表示/違反報告)
GAYASAKURA(プロフ) - こっちゃんさん» こんにちは!いつもコメありがとうございます!はい、かなり無理やり感ありますが、戻しちゃいましたw、ユリ姉さんのネタバレからまた色々ハプニングが起こります、元カノがちょっと…でも主要人物は《みんないい子だよ!》がテッパンなので、なんとかなるのでは (2017年3月11日 16時) (レス) id: 0cce3636ea (このIDを非表示/違反報告)
GAYASAKURA(プロフ) - keiさん» ホントにゴメンなさい!ココから辻褄合わせのネタバレ展開になりますw、そしてそして元カノが何やら…宜しければ続き覗いてみて下さいね!コメ大感謝です! (2017年3月11日 16時) (レス) id: 0cce3636ea (このIDを非表示/違反報告)
GAYASAKURA(プロフ) - keiさん» こんにちは!こちらこそ初めまして!ウチの藤北ちゃん気に入って下さってホントに嬉しいです、ありがとうございます!はい、ちょっとアッサリ記憶戻しすぎたかなぁと思っていますが、こうでもしないと次の展開に行けないのでもしか《??》になられてたら (2017年3月11日 16時) (レス) id: 0cce3636ea (このIDを非表示/違反報告)
こっちゃん(プロフ) - こんにちは。太輔君の記憶が戻りましたね。事故の真相や、菜月さんとの事等 解決しなければいけない事が多いので、大変だと思いますが ハピエになるために必要ですし、これからどうなっていくのか楽しみです。 (2017年3月11日 14時) (レス) id: 2a4d3f96ad (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:GAYASAKURA | 作成日時:2017年2月25日 13時